〜転倒・避難・薬・トイレ…本当に必要な対策を解説します〜
執筆者：防災士／地方自治体防災担当職員／被災地派遣経験あり
災害時に最も犠牲が多いのは
高齢者です。
理由は明確です。
✔ 足腰が弱い
✔ 持病・薬が必要
✔ 逃げるスピードが遅い
✔ 情報が届きにくい
✔ 危険な場所に住み続けてしまう
しかし――
正しい準備と教育をすれば、
「高齢者は自分の命を守る力」を持つことができます。
この記事では、
✅ 家庭でできる準備
✅ 避難のコツ
✅ 持病や薬の対策
✅ 在宅避難の方法
を、現場目線でわかりやすくまとめました。
✅高齢者が災害で命を落とす原因ベスト3
① 転倒・落下物での怪我
② 避難が遅れる
③ 断水・停電で体調を崩す
つまり、防災はスピードより“準備”が命を守る鍵になります。
✅① 家の中で絶対にしてほしい対策
高齢者の災害は「家の中で死ぬ」ケースが最も多い。
✅✔ 家具を固定
・タンス
・冷蔵庫
・本棚
→ 倒れて下敷きになる事例は非常に多い
✅✔ 寝室の位置を変える
✅ 窓から離す
✅ 重い家具から離す
✅ 足元に物を置かない
✅ スリッパ・杖を手元に
「布団の周りを安全にするだけで生存率が上がる」
✅✔ 夜間用ライトを設置
停電すると、家の中の段差で転倒する事故が多い。
✅ 足元ライト
✅ 懐中電灯
✅ ランタン
✅ 玄関と寝室に1つずつ
✅② 薬・持病のある高齢者の命を守る
高齢者が避難所で最も困るのが――
✔ 薬
✔ 持病
✔ 通院
✅✔ 薬は“最低3日分”を必ず持ち出せるように
・処方薬
・湿布
・血圧・心臓・糖尿病など重要薬
✅✔ お薬手帳をコピー
✅ 避難バッグ
✅ 財布
✅ 玄関
複数に入れておくと安心。
✅✔ 病名や緊急連絡先を書いたカード
避難所で意識を失っても治療できる。
✅③ 高齢者の避難はスピード勝負ではない
高齢者は「急いで逃げる」のではなく
“安全に避難できる環境を整えておく”ことが重要。
✅✔ 避難バッグは軽く、小さく
重すぎる荷物は持てない
→ 水・薬・携帯・トイレ用品を優先
✅✔ 通常の避難所よりも“福祉避難所”
ベッドや介護対応がある
→ 市区町村に事前確認しておく
✅✔ 迷ったら “家で在宅避難” が正解のことも
家が安全で水とトイレがあれば、
無理に避難所へ行く必要はありません。
✅④ 高齢者に絶対必要な非常用品
✅ 水（500ml×複数、小さい方が持てる）
✅ 薬・お薬手帳
✅ 懐中電灯・足元ライト
✅ モバイルバッテリー
✅ 簡易トイレ
✅ 大人用おむつ（長時間トイレが使えない場合）
✅ タオル
✅ 歩きやすい靴
✅ 補聴器・入れ歯ケース
✅ メガネ
✅ 手すり代わりの杖
「重い荷物」ではなく
**“命に直結する荷物”**だけでOK。
✅⑤ 在宅避難ができれば高齢者の生存率が上がる
避難所は
❌ 寒い
❌ 人が多い
❌ プライバシーがない
❌ 体が痛くなる
❌ 感染症のリスクがある
だから高齢者は“在宅避難”を目指す。
【家に準備すべきもの】
✔ 1週間分の水と食料
✔ 簡易トイレ
✔ カセットコンロ
✔ 毛布・防寒
✔ ランタン
✔ モバイルバッテリー
家にこれがあるだけで、避難所へ行かずに済む。
✅⑥ 実際の被災地が証明していること
熊本地震・西日本豪雨・台風被害など
多くの高齢者が自宅で転倒し、避難が遅れ、体調悪化で命を落としています。
一方で、
✅ 家の家具を固定していた
✅ 薬をすぐ持ち出せた
✅ 在宅避難の準備があった
✅ 家族と連絡方法を決めていた
こうした高齢者は助かっています。
つまり、
準備していたかどうかが、生きるかどうかを分ける。
✅まとめ：高齢者は“守られる側”ではなく“守れる側”
高齢者でも――
✔ 家の環境を整えられる
✔ 薬を準備できる
✔ 避難の判断ができる
✔ 在宅避難ができる
「年齢で命は決まらない」
準備で命は守れます。
✅ 防災士として最後に
高齢者の災害対策は、
“走らず、焦らず、準備するだけでいい”
今日5分でできることはこれです：
✔ 薬をまとめる
✔ 懐中電灯の場所を決める
✔ 家の危険な家具を離す
✔ 水を少し買い足す
この小さな行動が、大切な命を守ります。
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