地震・台風・大雨で停電すると、最初に困るのが「冷蔵庫が止まる」ことです。電気が止まった瞬間から食材の鮮度は落ちはじめ、復旧までの時間によっては食中毒のリスクも高まります。ここでは、停電時に食材を最大限守るための実践的なポイントを解説します。
■停電直後に必ずやること
・冷蔵庫と冷凍庫を“絶対に開けない”
・扉にテープを貼って開封禁止にする
・家族全員に「冷蔵庫触らないルール」を共有
・保冷剤があれば冷凍庫に集める
・停電発生時間をメモする
食材を守る最大の秘訣は、開けないこと。
■どのくらい持つのか(目安)
・冷蔵:4〜6時間
・冷凍:24〜48時間
※開けなければ持続時間が大きく伸びる
冷凍庫が“満杯のほうが長持ちする”のは有名な事実です。
■食材が危険になる温度
・4℃以上で菌が増え始める
・10℃を超えると急速に増殖
・25℃以上で一気に腐敗
→ 夏の停電は特に注意
“冷蔵庫だから安心”という考えはNGです。
■停電が長引くときの食材対処法
・冷蔵 → 先に食べる
・冷凍 → 絶対に開けない
・生肉・生魚 → 発電機がなければ早めに加熱
・卵 → 生食は避けて必ず加熱
・カット野菜 → 腐敗しやすいため最優先で消費
・牛乳・ヨーグルト → 停電後6時間以内に判断
“食べる優先順位”を決めることで食材ロスが大幅に減ります。
■停電中の保存ワザ
・冷凍庫にペットボトル氷を入れる
・保冷剤・氷を集結させる
・クーラーボックスに移す
・冷気を逃がさないため新聞紙で覆う
・外が冷えている季節なら外気を活用
冬は冷気を活かせるため、食材はかなり持ちます。
■停電が24時間以上続くとき
・一度溶けた冷凍食品は再冷凍しない
・肉・魚は色やにおいを確認
・常温に長く置いた食品は処分
・乳製品は早めに判断
・“ちょっと怪しい”は必ず捨てる
災害時の食中毒は避難生活を大きく悪化させます。
■冷蔵庫の中で安全な食材
・未開封のジュース
・缶詰
・乾物
・チョコレート、クッキー類
・調味料(醤油・味噌)
・パン類(常温保存可)
冷蔵が不要な食品を知っておくと応用力が高まります。
■停電復旧後の注意点
・庫内の温度を必ず確認
・食材がぬるい場合は判断を厳しく
・液漏れ・異臭・変色があれば破棄
・冷蔵庫をいきなり満負荷にしない
・自動製氷機の最初の氷は捨てる
復電直後の食品トラブルが最も危険です。
■災害前にできる冷蔵庫の備え
・冷凍スペースを常に8割埋める
・ペットボトル氷を常時ストック
・冷凍庫の整理を習慣化
・非常食は冷蔵不要の食品で揃える
・冷蔵庫の中身リストを作る
・停電時の“食べる順番”を家族で共有
冷凍庫を活用した備えは、最強の停電対策になります。
■まとめ
停電すると冷蔵庫は数時間で食材の品質が落ちていきます。最初に“開けない”ことを徹底し、冷凍庫をフル活用することで食材を守れます。食中毒を避けるためにも、停電前の準備と停電中の判断が非常に重要です。災害時こそ、冷蔵庫の知識が家族の健康を守る力になります。

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