【防災士が厳選】災害時の“水が足りない”ときの飲み水確保術|最低限の水をどう確保し、どう使い切るか

地震・豪雨・台風で断水すると、最初に直面するのが「飲み水不足」です。水は数時間で不足し、1日経つと“命に関わるレベル”の問題に変わります。ここでは災害時に水が足りない状況で、どう安全に飲み水を確保し、どう使い切るかをまとめます。

■災害時に水不足が起きる理由
・断水で蛇口が完全停止
・停電でポンプが動かない
・断水予告なしで急に水が止まる
・水道管の破損
・マンション高層階へ給水できない
・店頭の飲料水が瞬時に売り切れる

“想像よりも3倍速く”水はなくなります。

■飲み水確保の大原則
・まずは「飲む水」を最優先
・料理・洗浄は後回し
・家族の必要量を計算
・備蓄水をすぐ確認
・飲める水と飲めない水を分ける

初動で優先順位を決めるだけで安心感が全然違います。

■最低限必要な水(1日)
・大人:1.5〜2 L
・子ども:1〜1.5 L
・乳児:ミルク分も含めて1〜1.5 L
→ 3日で“1人6L”が最低ライン

■自宅にある水で使えるもの
・ペットボトル水(常備最強)
・冷蔵庫の氷
・給湯器のタンク内の水
・ウォーターサーバー
・電気ポット内の水
・無洗米のすすぎ水(飲用は不可)

給湯器の残水は“非常水”として非常に役立ちます。

■災害後すぐにやること
・浴槽に水をためる(飲用以外用)
・ペットボトルの残量チェック
・料理の回数を制限
・コップ1杯の水の使い方を決める
・家族で「水の優先順位」を共有

浴槽の水だけで、生活用水が大きく確保できます。

■水不足のときにやってはいけないこと
・むやみに手洗いを繰り返す
・食器を毎回洗う
・炊飯の水量を変える
・野菜を流水で洗う
・洗濯機を使う

“飲み水”を守るため、生活用水は徹底的に節約。

■水を節約するテクニック
・料理はお湯を使わず袋麺方式にする
・食器は拭いて再利用
・ウェットティッシュで手洗い代用
・口内はうがいよりも“口を湿らせる”だけにする
・野菜は拭いて調理
・髪はドライシャンプー

わずかな工夫で水の消費量は半分以下にできます。

■飲み水が残り少ないときの最終手段
・給水車の情報を確認
・避難所の給水時間をチェック
・近隣で水の出る場所を探す
・雨水を“生活用水”として活用(飲用不可)
・浄水器・携帯フィルターで濾過
・煮沸して殺菌(長時間煮沸が必要)

※雨水や川の水は、濾過しても“飲用は原則不可”。

■家庭でできる水の備蓄
・2Lペットボトル×人数×6本(3日分)
・1週間分なら×14本
・保存水(5年・7年保存)
・箱買いしてリビングに置く
・非常用タンク(ポリタンク)
・レトルト食品は“水不要タイプ”を選ぶ

“飲み水だけは絶対に切らさない思考”が最重要。

■ミルクが必要な家庭のポイント
・粉ミルクは“液体ミルク”を常備
・哺乳瓶は使い捨てタイプ
・湯沸かし不要のミルクを優先
・赤ちゃんの水は“軟水”のみ使用

赤ちゃんの水問題は大人よりはるかに深刻です。

■まとめ
水が足りない災害時は、最初の24時間が勝負です。飲み水を最優先し、生活用水を節約するだけで生存率は大きく変わります。自宅にある“あらゆる水源”を活用し、家族分の最低限の水を確保することが、災害初動で最も重要な行動になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました