停電・断水・ガス停止が起きると、キッチンの機能は一瞬で失われます。料理ができない、洗い物ができない、冷蔵庫が使えない――この状況は家族の健康に直結する大問題です。ここでは「キッチンが使えない時にどう食事を作るか?」を現場経験からまとめます。
■キッチンが使えなくなる理由
・停電でIH・電子レンジが動かない
・ガス停止でコンロが使えない
・断水で洗い物不可
・冷蔵庫が止まる
・水が汚れて飲用不可
・食材がすぐに腐る
料理と衛生管理が同時に難しくなります。
■災害直後にまずやること
・冷蔵庫・冷凍庫を絶対に開けない
・残っている水の量を把握
・調理器具を使わない食事を優先
・生ものは“早めに火を通す”か処分
・家族の食物アレルギーを確認
最初の判断で食材ロスと食中毒リスクを大きく減らせます。
■水・火を使わずに作れる食事
・パン
・レトルト食品(温め不要タイプ)
・缶詰(サバ、ツナ、みかん、スープ)
・カロリーメイト
・袋入りのゼリー飲料
・シリアル+常温牛乳
・クラッカー+チーズ
“常温で食べられる食品”を優先してください。
■水を節約しながら作れる食事
・ポリ袋調理(湯煎式)
・インスタント味噌汁(最小量の水)
・袋ラーメンは“水戻し”も可能
・乾麺は少量のお湯で戻せる
・野菜は洗わずに皮むきで対応
水が少なくても工夫で食事は作れます。
■火を使う場合の安全確認
・ガス漏れがないか
・換気できる環境か
・卓上コンロを使う時は耐熱シート
・子どもを近づけない
・火を使う時間は短く
停電時の火の取り扱いは普段より危険が増します。
■洗い物をほぼゼロにする方法
・紙皿・紙コップを使う
・ラップを皿に敷く
・割り箸・スプーンを使い捨てにする
・鍋にポリ袋を敷いて調理
・洗わずに済む食材を選ぶ
断水中は“いかに洗い物を減らすか”がカギです。
■食中毒を防ぐためのポイント
・生肉・生魚は最優先で加熱
・常温で長時間放置しない
・口に入れる前に臭いを確認
・乳製品は早めに判断
・冷蔵庫がぬるい場合は要注意
・暑い日は腐敗速度が3倍以上
災害時は、食品の判断基準を普段より厳しくします。
■子ども向けの簡易食事
・ゼリー飲料
・ウエハース
・小さめの缶詰
・パンとチーズ
・レトルトカレー(温め不要タイプ)
・バナナ・りんご(洗わず皮むきでOK)
子どもは少量でも食べられる食品が役立ちます。
■キッチンが使えない時の栄養確保
・たんぱく質:ツナ缶、サバ缶、ソーセージ
・炭水化物:パン、クラッカー、乾パン
・ビタミン:果物の缶詰、野菜ジュース
・脂質:ナッツ・チーズ
・水分:経口補水液・スープ
災害時ほど“バランス”が体力を左右します。
■事前に備えておくと安心な食品
・温め不要レトルト食品
・缶詰(魚・豆・果物)
・パックご飯
・常温保存できるパン
・水戻しできる麺類
・ソフトクッキー
・アルファ米(非常食)
・調味料(塩・砂糖・醤油)
非常食は「2日分を3回備える」が鉄板です。
■キッチン復旧後の注意
・ガス漏れチェック
・水の濁り確認(配管汚染に注意)
・冷蔵庫の温度確認
・怪しい食材は捨てる
・電子レンジは内部を消毒してから使用
復旧直後はトラブルが起きやすいタイミングです。
■まとめ
災害でキッチンが使えなくなると、食事の準備と衛生管理が困難になります。火と水を使わない食品の活用や、洗い物ゼロの工夫で安全に食事を続けられます。非常食を事前に備え、災害時の“食べる戦略”を決めておくことで、家族の健康を守ることにつながります。

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