【防災士が厳選】災害時の“車中泊”を安全に行うためのポイント|寒さ・換気・エコノミー症候群を防ぐ実践テクニック

地震や豪雨で自宅の安全が確保できないとき、「車中泊」を選ぶ家庭が多くあります。しかし、車中泊には一酸化炭素中毒・エコノミー症候群・寒さ・トイレ問題など多くの危険があり、正しく行わないと命に関わります。ここでは“安全で快適な車中泊”の方法をまとめます。

■車中泊を選ぶ理由
・家が浸水・倒壊の危険
・揺れが続いて自宅が不安
・避難所が満員
・家族が小さい子ども連れ
・ペットと離れたくない
・プライバシーを確保したい

車は避難手段になりますが、安全対策が必要です。

■車中泊で起きやすい危険
・寒さで眠れない
・エンジンの排ガスで一酸化炭素中毒
・足がむくんでエコノミー症候群
・体が痛くなる
・窓に結露がつく
・トイレの確保が難しい
・防犯リスク

“快適さ”より“安全確保”が優先事項です。

■最初にやるべき安全対策
・エンジンは止める(原則)
・どうしても暖房を使う場合は必ず換気
・排気口を塞がない場所に停車
・車内の荷物を片付けて寝られるスペースを確保
・防犯上、窓を完全に開けすぎない

エンジンつけっぱなしは一酸化炭素中毒の危険大です。

■寒さ対策(車中泊で必須)
・寝袋(3シーズン or 冬用)
・毛布を2〜3枚
・アルミシートで体温を逃がさない
・カイロを使う(腰・お腹・背中)
・靴下・手袋・ニット帽を着用

冬の車中泊は“防寒装備なし”は危険です。

■快適に眠るための工夫
・シートを倒すより後部座席をフラットに
・マットや段ボールで段差をなくす
・枕代わりにタオルを丸める
・結露対策にタオルを窓付近へ

できるだけ“横になれる環境”を作りましょう。

■エコノミー症候群の対策
・1〜2時間に一度は足を伸ばす
・水分補給をこまめに
・足を軽く動かす
・靴下やズボンの締め付けに注意

避難生活中の病院搬送理由の上位に入るほど危険です。

■車中泊のトイレ問題の対処法
・携帯トイレを車内に常備
・コンビニは災害時使えないことが多い
・最寄りの公衆トイレを把握
・夜間はライトを忘れずに
・トイレのために無駄にエンジンをかけない

トイレの確保は車中泊最大のストレスです。

■車中泊に必要な持ち物
・寝袋・毛布
・ライト(ランタン+ヘッドライト)
・カイロ
・水(飲用)
・携帯トイレ
・食料
・マスク
・簡易カーテン(プライバシー)
・モバイルバッテリー
・タオル・ウェットティッシュ

“車だけでは何も解決しない”ので、装備が重要です。

■避難所との併用が最も安心
・日中は避難所で充電・情報収集
・夜間だけ車中泊する
・トイレの利用がしやすい
・食事や支援物資を受け取りやすい
・防寒や安全面の不安が少ない

避難所と車の“ハイブリッド避難”は現場でも推奨されています。

■事前にできる準備
・車内泊セットをトランクに常備
・携帯トイレを車に2〜3個
・車のガソリンは常に半分以上をキープ
・毛布・寝袋は一年中積んでおく
・車の空間を平らにできるか確認
・電源ケーブルを1本常備

車を“避難装備の一部”として準備しておくことが重要です。

■まとめ
災害時の車中泊は、正しく行わないと命に関わるリスクがあります。エンジン停止と換気、寒さ対策、エコノミー症候群対策、携帯トイレの準備など、最低限の安全対策があれば、車中泊は安心して行える避難方法になります。事前の装備が、あなたと家族を守る最強の防災行動です。

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