【防災士が解説】災害時の“家の鍵トラブル”をどう防ぐ?停電・浸水・地震で起きる鍵の問題と対処法

災害が発生すると「家の鍵が開かない」「閉まらない」「鍵を紛失した」など、意外と多いのが“鍵トラブル”。停電・浸水・揺れ・泥詰まりなど、普段は起きない問題が一気に発生します。ここでは、災害時に起こりやすい鍵トラブルと、その対処法をまとめます。

■災害時に起きる鍵トラブルの種類
・停電で電子錠が作動しない
・浸水で電子錠が故障
・地震でドア枠がゆがみ鍵が回らない
・泥や砂で鍵穴が詰まる
・避難時に鍵の紛失
・ドアが膨張して閉まらなくなる(湿気)

鍵は“災害の影響をダイレクトに受ける場所”です。

■停電時の電子錠トラブル対策
・非常用バッテリー(9V電池対応)を確保
・物理キーを必ず持って避難
・スマートロックは電池残量を常に確認
・停電後は一度開閉チェックを行う

電子錠は便利な反面、停電・電池切れに弱い特徴があります。

■地震で鍵が回らない場合の対処
・ドアを軽く押しながら鍵を回す
・傾いている方向と逆に力を加える
・無理に回すと鍵折れの原因になる
・ドア枠のゆがみが大きい場合は専門業者へ

揺れの影響で“ドア枠が変形する”のはよくあるトラブルです。

■浸水で鍵が使えないときの対処
・鍵穴に泥が入った場合は無理に回さない
・泥水に浸かった電子錠は故障リスク大
・鍵本体は洗わずタオルで水分を取る
・浸水後は防犯のため施錠の確認を徹底

水害後の鍵トラブルは“無理に操作しない”が鉄則です。

■避難中に鍵を紛失したとき
・まず落としたルートを逆戻りして確認
・避難所スタッフへ届け出
・家族のスペアキーの所在を確認
・危険区域の場合は戻らない
・業者に依頼する際は身分証明書が必要

災害時は紛失が非常に多く、スペアキー管理が重要です。

■家が閉まらなくなるトラブル
・湿気でドアが膨張して閉まらない
・揺れでドアストッパーが変形
・浸水で枠の木材が変形
・鍵は閉まっても“ドア自体”が閉じないことがある

防犯のため、応急処置でロープや突っ張り棒が役立ちます。

■応急処置でできること
・鍵穴に油を差さない(砂を固める原因)
・シリコンスプレーのみ使用
・ドアの膨張部分はタオルや紙で挟んで固定
・電子錠は乾燥させてから試す
・「閉まらないドア」はロープで固定し外出

鍵穴のメンテナンスは“油NG・シリコンOK”が基本です。

■災害前にしておく鍵の備え
・スペアキーを家族で共有
・電子錠は電池残量の月1回チェック
・鍵穴用のシリコンスプレーを常備
・玄関ドアの耐震性を確認
・スマートロックは物理キー付きにする
・非常用バッテリーを備える

“鍵の備え=家の防犯”につながります。

■避難所での鍵管理
・ネックストラップに付けて紛失防止
・ポケットではなくバッグ固定が安全
・家族で誰が持つか事前に決めておく

避難中の鍵紛失は最も多いトラブルのひとつです。

■まとめ
災害時の鍵トラブルは、停電・浸水・揺れ・泥などで簡単に発生します。電子錠は停電や故障リスクがあり、物理キーの携帯が非常に重要です。鍵穴のメンテナンスやスペアキー管理、ドアのゆがみ対策など、事前の備えが“家の安全と防犯”を守るポイントになります。鍵は小さな道具ですが、災害時には生活の要となる重要なアイテムです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました