【防災士が解説】災害時の“床が硬くて眠れない問題”をどう防ぐ?体育館・フローリング・避難所で体が痛くなる人のための対策

避難所生活で最も多い悩みのひとつが「床が硬くて眠れない」「翌朝体が痛い」という問題。
体育館の床・フローリング・薄いマットは、長時間横になると腰・背中・肩に負担がかかります。ここでは、災害時に“硬い床でも眠れるようにする方法”を防災士が解説します。

■硬い床で体が痛くなる理由
・床がコンクリートで衝撃が直にくる
・体圧分散ができない
・横向き寝で肩に負担
・仰向け寝で腰に負担
・湿気がマットの効果を下げる
・薄い寝具では体を支えられない

体育館床は“想像以上に冷たくて硬い”のが特徴。

■まずやるべき応急処置
・ブルーシートを床に敷く
・その上に段ボールを重ねる
・さらに毛布やタオルを敷く
・腰と肩の部分を重点的に厚くする
・寝る位置を調整(窓側は冷える)

段ボールは“簡易マット”として非常に優秀です。

■段ボールベッドの作り方(災害時の最強寝床)
① ブルーシートを敷く
② 大きめの段ボールを敷き詰める
③ その上に段ボール箱を置き“ベッド型”に
④ その上に毛布を敷く
⑤ 布団やタオルを重ねて完成

これで“床の硬さ”と“冷気”をほぼ完全にカットできます。

■腰が痛くなりやすい人の対策
・腰の部分にタオルを追加
・膝下に枕や衣類を入れる
・仰向けと横向きを組み合わせる
・柔らかさを“腰だけ”に足すと効果大

腰痛持ちの人は特に寝床調整が重要。

■肩が痛い人の対策(横向き寝)
・肩の下にタオルを1〜2枚
・頭の高さを調整
・肩と首のラインが一直線になるように
・枕とマットの高さバランスを取る

少しの工夫で肩の圧迫感は大幅に減ります。

■背中が痛い人の対策
・毛布を2つ折りにして背中部分に敷く
・段ボールを追加してクッション性を上げる
・身体のラインが床につぶされないよう調整
・横になる時間を短くし、適度なストレッチも有効

“部分補強”が背中の痛み対策のコツです。

■避難所での寝る位置の選び方
・窓際は床冷えが強い
・出入口付近は騒音が大きい
・壁際は冷気が流れやすい
・中央の方が暖かく快適
・人が通る動線は避ける

寝る位置の選択だけで快適度が変わります。

■硬い床で寝ると起きる影響
・腰痛
・肩こり
・背中の痛み
・睡眠不足
・疲労蓄積
・判断力低下
・ストレス増加

寝床環境の悪化は“避難生活全体の質”を下げる原因となります。

■災害前に準備しておくと良いもの
・折りたたみマット
・エアマット(軽量・コンパクト)
・段ボール(折りたたみ式)
・毛布
・速乾タオル
・ブルーシート

特に“エアマット”は非常用バッグに入るため非常におすすめ。

■まとめ
災害時の“床が硬くて眠れない問題”は、段ボール・ブルーシート・毛布を組み合わせることで大きく改善できます。腰・肩・背中を部分的に補強し、寝る位置を工夫することで、体育館の硬い床でも体の痛みを軽減できます。寝床の確保は避難生活で最も重要な要素のひとつです。

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