【防災士が解説】“災害時のトイレ行列問題”はなぜ起きる?長時間並ばずに済むための現実的な対策

避難所・体育館・学校に避難すると、必ず発生するのが
「トイレが大行列」「1回入るのに20〜40分」「においがひどい」
という“トイレ渋滞”です。これはほぼ全ての災害で起きる避けられない問題です。トイレが快適でないだけで、ストレス・健康・生活リズムが大きく乱れます。防災士の視点で“並ばないための方法”をまとめます。

■なぜ災害時はトイレ渋滞が起きるのか
・避難者が数百人単位
・トイレの個数が少ない(男女共用が多い)
・停電で水が流れない
・断水で手洗いが使えない
・仮設トイレが到着するまで時間がかかる
・においで使う時間が長くなる
・各家庭の“水が使えない”ため避難所に集中

トイレは“避難所で最も混雑する場所”です。

■トイレ渋滞は体調不良の原因になる
・尿意を我慢して膀胱炎
・トイレが怖くなり水分を取らなくなる
・脱水症状のリスク上昇
・高齢者は転倒リスク増加
・子どもは失敗しやすくなる
・精神的ストレスが蓄積

「トイレ問題=健康問題」と考えるべきです。

■避難所で並ばないためにやるべき行動
① 朝4〜6時の“空いている時間”にトイレへ
② 食後すぐは混むため避ける
③ 就寝前のピークを避ける
④ 子どもは早めに声かけ
⑤ 仮設トイレ設置直後が狙い目

時間帯の工夫だけでストレスが激減します。

■自宅避難できるなら“トイレ確保”が最優先
・凝固剤+袋で使用
・ビニール袋は二重
・使用済み袋はフタつきバケツへ
・家族人数分の簡易トイレを備蓄
・バケツ式の簡易便座が非常に便利

避難所のトイレ渋滞を避けるために“在宅トイレ”は重要。

■仮設トイレの特徴
・設置まで時間がかかる(2〜4日)
・最初はにおいが少ない
・徐々に臭気が強くなる
・夜は暗くて怖い
・子どもが使いにくい
・夏は地獄の暑さ

仮設トイレが来ても“全て解決”ではありません。

■トイレのにおいで利用時間が長くなる仕組み
・においが強い → 子ども・高齢者が慎重に
・汚れやすく掃除が追いつかない
・狭くて体勢が保てない
・夏は暑さで気分が悪くなる
・冬は寒くて時間がかかる

渋滞の原因は“設備だけでなく心理”にも理由があります。

■女性と子どものトイレ問題
・長時間の行列で身体が冷える
・生理用品の交換がしづらい
・子どもは我慢しすぎてしまう
・夜のトイレは危険(防犯面)

“女性と子ども”はトイレ問題で最も困りやすい層です。

■トイレ渋滞を避ける具体的テクニック
・水分を“こまめに分けて”飲む
・朝イチに必ず済ませる
・混みやすい時間を避ける
・簡易トイレを自分用に備えておく
・夜はなるべく早い時間にトイレへ

「時間管理 × 簡易トイレ」が最強の組み合わせ。

■災害前に備えておくべきトイレセット
・簡易トイレ(30〜50回分)
・凝固剤
・黒いゴミ袋
・ウェットティッシュ
・消臭スプレー
・ペーパータオル
・生理用品
・子ども用便座シート

“トイレ備蓄=避難生活の快適度を最大化する備え”。

■まとめ
災害時の“トイレ渋滞”は、避難生活のストレス・健康被害・生活リズムの崩壊につながる大きな問題です。並びたくない人は、
・時間帯の工夫
・簡易トイレの自前確保
・在宅避難でのトイレ維持
が最も効果的。トイレ問題を制することが、避難生活の質を大きく左右します。

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