地震・大雪・台風に伴う停電のあと、もっとも増えるのが「暖房器具による火災」。
特に冬は、寒さと不安から“危険な使い方”が増え、毎年多くの火災が発生しています。ここでは、防災士として現場で重視される「冬の暖房による火災リスクと安全対策」をまとめます。
■災害時に暖房火災が増える理由
・停電でエアコンが使えない
・ストーブ・カセットガスを急遽使う
・延長コードに暖房をつなぐ
・狭い避難スペースで使用
・子ども・高齢者が触れやすい
・換気不足で一酸化炭素中毒
・疲労とストレスによる注意力の低下
“普段しない使い方”が一気に増えるため危険が上がります。
■特に危険な暖房器具
・カセットガスストーブ
・石油ストーブ
・電気ストーブ
・こたつ（延長コード過熱）
・ファンヒーターの換気不良
便利ですが、災害時は火災・中毒リスクが跳ね上がります。
■絶対に避けるべき危険な使い方
・物を近づけて使用
・火のついた状態で寝る
・延長コードでストーブを使う
・灯油を足したままつけっぱなし
・湿気が多い場所で電気ストーブ
・ベッド・布団の近くで使用
・狭い避難所で火気を使う
特に「寝る前の消し忘れ」が冬の火災最大の原因です。
■停電時に安全に暖を取る方法
① 毛布・寝袋・カイロを優先
② 家族で体を寄せ合う
③ カーテン・窓の隙間をふさぐ
④ カセットガスは換気しながら短時間だけ
⑤ 火気を使うなら必ず“見守り係”を作る
火を使わない暖房が、一番安全で確実です。
■避難所で寒さを乗り切るポイント
・段ボールで床冷えを防ぐ
・レインコートや銀マットを重ねる
・足首・首の保温（体温の要）
・温かい飲みものをこまめに取る
・体を軽く動かす
暖房がなくても、この工夫だけで体感温度は大きく変わります。
■“一酸化炭素中毒”に注意
・ガス・灯油ストーブ
・車中泊のエンジン
・テント内での火気
・換気がない密室
症状：頭痛・吐き気・めまい・意識が遠くなる
→ すぐ換気・外へ移動が必要。
■在宅避難で役立つ防寒アイテム
・使い捨てカイロ（貼るタイプ）
・ダウンブランケット
・アルミシート
・寝袋（冬用）
・手袋・ネックウォーマー
・湯たんぽ（最強＆安全）
“火を使わずに暖まる”ことが最優先です。
■高齢者・乳幼児は特に注意
・体温調整が苦手
・火を倒す・触る可能性
・低温やけどが起きやすい
・水分不足で脱水症状
暖房は“本人任せにせず”大人が管理します。
■まとめ
冬の災害では、暖房器具の使い方ひとつで火災や中毒が起こります。
特に停電時は、普段使わない器具を急に使うため危険性が高まります。
暖房は「火を使わない方法」を優先し、どうしても火気を使う場合は“短時間・見守り・換気”を徹底することが必要です。
寒さ対策は命を守る行動です。安全に暖を取りながら、冬の災害を乗り切りましょう。
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