引っ越し後の防災というと、
「避難所」「家具固定」「備蓄」を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし実際の災害現場では、
もっと小さく、もっと生活に近い部分の“落とし穴”が被害を拡大させています。
防災士として、見落とされがちなポイントを整理します。
■① ブレーカーと分電盤の場所を知らない
地震後の火災で重要なのが「通電火災」の防止です。
ところが引っ越し直後は、
・分電盤の場所を知らない
・ブレーカーの操作方法が分からない
という人が非常に多いのが現実です。
入居初日に分電盤の位置だけは必ず確認してください。
■② ガス・水道の止め方を知らない
災害時に最初に行うべき行動の一つが、
・ガスの元栓を閉める
・水道の止水栓を把握する
しかし新居では、
「どこにあるか分からない」
「触ったことがない」
という状態が当たり前です。
これは引っ越し直後特有の危険です。
■③ 夜間・雨天の避難経路を想定していない
昼間に下見した避難経路でも、
・夜
・大雨
・停電
では全く別の顔になります。
・街灯が少ない
・水が溜まりやすい
・段差が見えない
引っ越し後は一度、夜に避難ルートを歩くことが重要です。
■④ 近隣住民との関係が「ゼロ」
防災において、
・顔見知り
・声をかけられる関係
は想像以上に重要です。
引っ越し直後は、
・誰が高齢者か
・誰が子どもだけか
・誰が支援を必要とするか
全く分かりません。
挨拶は、防災行動の第一歩です。
■⑤ 地域独自の危険を知らない
同じ市町村でも、
・この道は冠水しやすい
・この川は増水が早い
・この踏切は危険
といった地域ローカル情報があります。
これはネットやハザードマップだけでは分かりません。
地域の人の声が命を守ります。
■⑥ 引っ越し疲れが判断力を下げる
引っ越し直後は、
・睡眠不足
・ストレス
・生活リズムの乱れ
が重なります。
これは災害時の判断ミスを招く典型的な状態です。
「疲れている時ほどシンプルな行動ルール」が必要です。
■⑦ 防災アプリ・情報が旧住所のまま
意外と多いのが、
・防災アプリが前の住所設定
・避難情報が届かない
というケースです。
引っ越し後は、
必ず住所連動型の設定を更新してください。
■⑧ 引っ越しは「防災弱者」になる瞬間
引っ越した瞬間、人は一時的に
・土地勘がない
・人脈がない
・情報が少ない
という「防災弱者」になります。
これは誰にでも起こる、ごく自然な状態です。
■まとめ|引っ越し後1週間が防災の分かれ道
引っ越し後の最初の1週間で、
・確認するか
・放置するか
その差が、災害時の安全性を大きく分けます。
引っ越しは新生活のスタートですが、
同時に防災をゼロから整えるタイミングでもあります。
「慣れてから」ではなく、
「慣れる前」に備える。
それが、防災士として最も伝えたい引っ越し防災の考え方です。

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