地震・停電・断水・避難所生活では、「布団・毛布が足りない」「硬い床で眠れない」という声が必ず出ます。
寝具の不足は、体調不良・腰痛・疲労の蓄積・免疫低下につながり、避難生活の質を大きく左右します。ここでは、防災士として現場で重要視してきた“寝具問題”の対策をまとめます。
■なぜ災害時は布団が問題になるのか？
・避難所は寒い
・硬い床で体が痛くなる
・布団や毛布が人数分確保できない
・湿気がこもりやすい
・寝返りが打ちにくく疲れが取れない
・子どもや高齢者は特に負担が大きい
睡眠の質が下がると、心身の健康が急激に悪化します。
■避難所の“寝具事情”
・毛布は1人1枚あれば良い方
・布団は基本なし
・床は固く冷たい
・段ボールベッドの配布は遅れることが多い
・プライバシー確保もむずかしい
避難所で一番の悩みが“寝具不足”。
■床が硬いと起きる体のトラブル
・腰痛
・肩や背中の痛み
・足先の冷え
・体力の消耗
・寝不足
・免疫力低下
特に高齢者は「エコノミークラス症候群」リスクも上昇。
■簡易寝具で睡眠の質を上げる方法
① 毛布の重ね敷き
・1枚は敷く
・もう1枚は掛ける
・最低2枚あると快適度が大幅アップ
② バスタオルを重ねて“簡易マット”
・3〜5枚重ねるとクッション性が高い
③ 段ボールを敷いて底冷え防止
・一番効果が高い
・音も小さくなる
④ ジャケット・服を枕に
・袋にまとめて枕代わりに使う
■寒さ対策としての毛布活用術
・肩から腰を覆う
・足元にもう1枚かける
・寝る前に温かい飲み物を取る
・カーテンや布で隙間風を防ぐ
身体の“首（首・手首・足首）”を温めると睡眠の質が上がる。
■在宅避難での寝具管理
・布団をビニール袋に入れて湿気を防ぐ
・毛布は2〜3枚を常備
・マットレスが使えるなら優先
・床が冷える場合は段ボールを敷く
布団の“防湿対策”は非常に重要。
■乳幼児・高齢者に必要な追加対策
・こまめに布団を干す
・布団が汚れた場合はタオルで対応
・おむつ替えスペースを確保
・身体の冷えを徹底的に防ぐ
体調を崩しやすい世代は特に配慮が必要。
■備えておくべき寝具セット
・毛布 2枚（1枚は敷く用）
・バスタオル 3〜5枚
・段ボール（簡易マット）
・大きめのレジャーシート
・アルミブランケット
・ビニール袋
最低限“寒さ・硬さ・湿気”を防げる状態が必須。
■寝具が不足したときの応急処置
・新聞紙を敷く
・カーペットやラグを重ねる
・衣類を集めて枕に
・レインコートを掛け布団代わりに
工夫次第で睡眠の質は大きく改善できる。
■まとめ
災害時の布団・毛布問題は、単なる寝心地だけでなく、体調・メンタル・免疫力に強く影響します。
毛布の重ね敷き、段ボール活用、バスタオルの組み合わせなど、限られた環境でも“快適に眠る方法”はあります。
家族全員分の毛布・簡易マットを備えておくことで、避難生活の負担を大幅に軽減できます。
睡眠の質は、災害を乗り越えるための“生命線”です。
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