災害が起きた直後、多くの人は「命が助かってよかった」と感じます。しかし数週間、数か月が経過したあと、静かに人を追い詰めるのが“仕事を失うこと”です。SDGs目標1「貧困をなくそう」は、防災の現場では「雇用の継続」という形で深く関係しています。
■① 災害は「家」だけでなく「職場」を奪う
地震や水害で被害を受けるのは住宅だけではありません。
・工場の操業停止
・店舗の長期休業
・観光業の客足消失
地域全体が被災すると、働く場所そのものが消えるケースが多発します。
■② 失業は一時的でも、影響は長期化する
一時的な休業でも、
・収入減少
・貯金の取り崩し
・借金の増加
が連鎖し、数年単位で生活再建を難しくします。特に非正規雇用や自営業は影響を受けやすいのが現実です。
■③ 防災と雇用対策は切り離せない
防災というと避難や備蓄が注目されがちですが、
・テレワーク環境の整備
・複数収入源の確保
・スキルの可視化
も立派な防災対策です。仕事を続けられることは、最大の生活防衛になります。
■④ 災害に強い仕事・弱い仕事がある
現場では、
・IT・事務系 → 比較的復旧が早い
・観光・飲食・建設下請 → 長期化しやすい
という差が見られました。職種による脆弱性を知ることも防災です。
■⑤ 副業・複業は「贅沢」ではなく備え
副業は収入を増やすためだけでなく、
「どれか一つが止まっても生き延びるため」
のリスク分散です。平時からの準備が、災害後の貧困転落を防ぎます。
■⑥ 行政支援が届くまでの“空白期間”
失業給付や支援金が出るまでには時間がかかります。
この“空白期間”をどう乗り切るかが、生活再建の分かれ道になります。
■⑦ 地域で仕事を守るという視点
被災地では、
・地元企業同士の応援雇用
・地域内での仕事シェア
が行われた例もあります。防災は個人だけでなく、地域経済の話でもあります。
■⑧ SDGs目標1が示す防災の本質
貧困をなくすとは、
「災害が起きても、働き続けられる社会をつくること」
でもあります。雇用の強靭化は、見落とされがちな防災です。
■まとめ|仕事を守ることは、命の次に大切な防災
災害後に生活が立ち行かなくなる最大の要因は、収入の断絶です。
防災とは、避難袋だけでなく「働き方」も含めて考える時代に入っています。
結論:
雇用の備えは、貧困を防ぐ防災そのもの
防災士として被災地を見てきた中で、「仕事さえ続けられれば…」という声を何度も耳にしました。

コメント