【防災士が解説】防災×SDGs目標11|「コンパクトシティ」は災害に強いのか?

SDGs目標11では、持続可能で包摂的な都市づくりが掲げられています。その中で近年注目されているのが「コンパクトシティ」という考え方です。防災の視点から見ると、この都市構造は大きな意味を持ちます。


■① コンパクトシティとは何か

コンパクトシティとは、
・生活機能を中心部に集約
・公共交通で移動できる街
・郊外の過度な拡張を抑制
する都市構造です。高齢化社会への対応策として語られることが多いですが、防災とも深く関係しています。


■② 災害時に広がりすぎた街は弱い

都市が広がりすぎると、
・避難所が遠い
・救助が分散する
・インフラ復旧に時間がかかる
という問題が起きます。被災地では「助けに行けない地域」が必ず生まれます。


■③ 集約された街は支援が届きやすい

人口と機能がまとまっていると、
・給水
・医療支援
・物資配布
が効率的に行えます。災害対応は「距離」と「密度」が結果を左右します。


■④ ただし集約=安全ではない

誤解されがちですが、集約すれば安全というわけではありません。
・低地に集約すると浸水リスク増大
・一極集中で避難が滞る
といった逆効果もあります。


■⑤ 高台・安全地への集約が鍵

防災的に有効なのは、
・浸水しにくい
・土砂災害の恐れが低い
場所への集約です。立地選定を誤ると、被害はむしろ拡大します。


■⑥ 現場で見た「失敗例」

実際に多かった失敗は、
「利便性重視で低地に施設を集めた結果、丸ごと機能停止」
というケースです。病院や福祉施設が同時に被災し、支援が遅れました。


■⑦ 行政が言いにくい本音

コンパクト化は、
・住民合意が難しい
・反対意見が強い
・政治的リスクが高い
という現実があります。防災上必要でも、進まない理由です。


■⑧ 防災視点での正解は「分散と集約の両立」

重要なのは、
・危険な場所からは撤退
・安全な場所には集約
・ライフラインは分散
というバランスです。


■まとめ|街を縮めることは守ること

SDGs目標11の都市づくりは、防災の再設計そのものです。

結論:
防災に強い街は「賢く縮む」ことができる街

防災士として、広がりすぎた街ほど復旧が遅れる現場を何度も見てきました。都市の形を見直すことは、命を守る選択です。

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