避難所生活で最も多いストレスのひとつが「プライバシーがないこと」です。
雑魚寝・会話の音・人の視線など、普段なら気にならないことが避難所では大きな負担に。
このストレスが長引くと、家庭内トラブル、睡眠不足、体調悪化につながります。
ここでは、防災士としての経験から“避難所でプライバシーを守るための具体策”をまとめます。
■ なぜ避難所はプライバシーが失われやすいのか？
● 広い体育館に大勢が雑魚寝する
● 間仕切りが不足している
● 家族構成・生活リズムがバラバラ
● 会話・いびき・物音が響きやすい
● 子どもや高齢者のケアで走り回る音も多い
避難所は“生活のすべてが丸見えになる空間”になりがちです。
■ プライバシーがないと起きる問題
● 睡眠不足
● 家庭内トラブル（夫婦・親子）
● 授乳・着替えがしづらい
● 子どもの夜泣きに気を遣う
● ストレスで免疫力低下
● 高齢者のトイレ介助がしづらい
● 会話が筒抜けで精神的に疲れる
→ 避難生活が長引くほど深刻になり、心理的ダメージが蓄積します。
■ 初動でやるべき“プライバシー確保行動”3つ
① 壁際または柱の近くにスペースを確保する
周囲の視線や通行が少なく、落ち着けるポイント。
② 通路・受付・トイレから離れた場所を選ぶ
人の往来が多いゾーンはストレスが大きい。
③ 可能なら“家族単位の区画”として申し出る
避難所によっては仕切りを優先的に提供してくれる。
■ 自分でできるプライバシー対策アイテム
● レジャーシート（自分の区画を明確化）
● 目隠し布・タオル・クリップ
● 簡易テント（在宅避難で大活躍）
● 耳栓・アイマスク
● 仕切りになる段ボール
● 子ども用の静かな遊びグッズ
※ “布＋クリップ”の組み合わせは即席間仕切りとして最強です。
■ 避難所スタッフに依頼できること
● パーテーションの設置
● 家族単位の区画設定
● 夜間の消灯時間・騒音トラブルの調整
● 高齢者・授乳家庭への優先エリア設定
スタッフに伝えるだけで改善されることも多く、遠慮する必要はありません。
■ 避難生活が長期化する場合の工夫
● 間仕切りを二重にして音を減らす
● 家族内ルール（就寝・起床時間）を決める
● 情報収集は音の出ない方法（スマホの文字ベース）に切り替える
● どうしても耐えられない場合は“別室の相談”もOK
避難所は「言わなければ改善されない」環境なので、早めの相談が大切です。
■ まとめ
避難所のプライバシー問題は、生活の快適さを大きく左右します。
ストレス・睡眠・家族関係に影響し、長期化すると心身の負担が非常に大きくなります。
最初の場所選び・間仕切りの工夫・スタッフへの相談
この3つだけで、避難生活の質は劇的に改善します。
家族を守るために、避難開始時の“初動の5分”を大切にしてください。
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