【防災士が解説】避難所の“段ボール階段”とは?|高齢者の転倒を防ぐ最新のバリアフリー対策

災害時、避難所に高齢者や足腰の弱い方が多く集まると、
「わずかな段差」でも転倒事故につながります。
そこで注目されているのが、避難所で作れる “段ボール階段(段差解消ステップ)” です。

これは、段ボールを重ねて作る小さな踏み台で、
体育館入口・トイレ前・通路の段差を解消できる優れもの。

現場目線でその有効性と作り方、注意点をまとめます。


■ なぜ避難所で段差が危険なのか?

避難所では、通常より段差が危険になります。

● 高齢者が多い(転倒率が高い)
● 荷物を持って移動する
● 足元が暗い
● スリッパ・上履きで歩く
● トイレ前が混雑しやすい

わずか「5cmの段差」でも転倒→骨折につながるケースがあります。


■ 段ボール階段のメリット

● 段差を低くして移動がラクになる
● 軽量で設置が簡単
● 破損してもすぐ作り直せる
● どんな避難所にも応用できる
● 足元のつまずき事故が劇的に減る

段差解消は、避難所の安全対策で“最優先級”です。


■ どんな場所に設置すると役立つ?

● 体育館入口(段差の定番)
● トイレ前の小段差
● 仮設スロープとのつなぎ目
● 避難スペースの境目
● 校舎から体育館へ移動する渡り廊下

高齢者がつまずきやすい場所に設置するだけで事故が大幅に減ります。


■ 作り方(現場でできる簡易版)

① 段ボールを折りたたんで重ねる
② ガムテープでしっかり固定
③ 表面に滑り止めマットを敷く
④ 必要ならもう一段追加する
⑤ 夜間用に足元ライトを設置

5〜10分で作れるうえ、材料は避難所に必ずあります。


■ 注意点(ここをミスると危険)

● 上部が沈むほど柔らかい構造はNG
● 雨水・湿気がある場所には置かない
● 毎日点検し、ヘタったら交換
● 車椅子用スロープと併用する場合は隙間を作らない

安全に使うために、定期チェックが欠かせません。


■ 家庭で役立つシーン(在宅避難)

実は在宅避難でも便利です。

● 階段の1段目に置く
● トイレ前の段差に置く
● 足腰が弱い家族のサポート
● ペットの移動にも役立つ

段ボールはどの家にもある材料。
災害時の“簡易バリアフリー”として覚えておくと強力です。


■ まとめ

避難所において段差は、想像以上に事故の原因になります。
段ボール階段は
「安い・速い・安全」
という三拍子そろった対策で、高齢者の安全確保に効果絶大です。

材料はその場にあるものだけ。
すぐ作れて、すぐ使える、避難所の必須アイデア。

避難所運営の質を高めるために、
“段差対策の初動”をぜひ覚えておきましょう。


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