避難所生活で最も多いトラブルのひとつが「音」。
体育館という響きやすい環境で、数十〜数百人が共同生活するため、
普段なら気にならない小さな音でもストレスの原因になります。
ここでは、防災士としての現場経験から
“避難所で音のストレスを減らす方法”をまとめます。
■ 避難所で問題になる“音”の種類
避難所では、以下の音が特にストレスになりやすいです。
● いびき
● 足音・スリッパの音
● 子どもの泣き声
● 話し声
● 荷物を開ける音
● トイレのドア音
● 夜間の物資整理音
● スマホの通知音
音は避けられないため、
“どう対処するか”が避難生活の快適さを大きく左右します。
■ なぜ避難所は音が響きやすいのか?
● 体育館は硬い素材(床・壁・天井)が多い
● 天井が高い
● 夜間は静まり返るため小さな音が大きく聞こえる
● すきま風や反響が強い
● 周囲との距離が近い
これらの条件が重なるため、
避難所は日常生活より“音のストレス”が何倍にも増える環境になります。
■ 初動で音ストレスを減らす「場所選び」
① 壁際
音が片側からしか来ないため、ストレスが半分に。
② 受付・トイレ・出入口から離れる
人の出入りが多い場所は音が最も多い。
③ 通路にならない場所
足音・話し声・移動音が激減。
④ 可能なら家族で固める
知らない人との距離が近いほど音ストレスが増える。
■ 持っていると劇的に違う“音対策アイテム”
● 耳栓(避難生活の必需品)
● ノイズキャンセリングイヤホン
● アイマスク(光と音のセット対策)
● 柔らかいスリッパ(足音防止)
● 仕切り布(音の反響を和らげる)
※ 音は完全に消すのではなく“減らす”だけで十分効果があります。
■ 避難所でできる“音マナー”の共有
● 夜間の会話を控える
● 荷物整理は早い時間に済ませる
● 子どもが走り回る時間帯を区切る
● スマホの通知音は切る
● スリッパは静音タイプを推奨
スタッフが掲示するだけでも、
避難所全体の雰囲気が大きく良くなります。
■ 子どもの音対策は“遊びスペース”を作ると解決
子どもは音を出すのが当たり前。
叱るより、最初から以下を作る方が効果的です。
● 遊びスペース(レジャーシート1〜2枚分)
● 遊び道具(ぬりえ・カード・簡単な玩具)
● 周囲と距離のある場所に配置
避難所全体のストレスが大幅に減ります。
■ 夜間の工夫(特に重要)
● トイレ前のドア音は“タオルを挟んで軽減”
● 荷物は夜間に動かさない
● スマホの光は布で隠す
● 静かなBGM(イヤホン)で周囲の音を緩和
夜間の音ストレスを減らすと、翌日の体調が大きく変わります。
■ まとめ
避難所の音問題は、避けられない課題のひとつです。
しかし、
「場所選び」「持ち物」「音マナー」「夜間の工夫」
の4つでストレスは確実に減らせます。
避難所では完璧を求めず、
“できる対策で快適さを1段階上げる”ことが大切。
家族の睡眠とメンタルを守るために、
音対策は避難初日の最優先事項にしましょう。

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