避難所で最もストレスが大きい設備――
それが トイレ です。
「並ぶ」「汚い」「夜が怖い」「遠い」
この4つが重なり、
避難者の体調不良・感染症・精神的疲労の原因になります。
ここでは、防災士としての現場経験から、
“避難所トイレの渋滞を減らす方法”を分かりやすくまとめます。
■ なぜ避難所はトイレ渋滞が起きるのか?
● 住民数に対してトイレ数が少ない
● 体育館から遠い(移動に時間がかかる)
● 和式が多く、使いづらい人が並びやすい
● 子ども・高齢者のスピードが遅い
● 夜間は照明不足で利用が減る
● 1つのトイレに行列集中してしまう
トイレ問題は“避難所最大の弱点”です。
■ トイレ渋滞が招く3つの重大リスク
① 健康リスク
尿意を我慢 → 膀胱炎・便秘・脱水に直結。
② 感染症
ノロウイルス・胃腸炎はトイレ環境から広がる。
③ 精神的ストレス
我慢・臭い・汚れ・混雑でメンタルが大きく消耗。
■ 避難所でできる“渋滞解消テク”5つ
① 複数トイレを“分散利用”する
学校の
● 1階・2階
● 体育館裏
● 外部トイレ
などを案内するだけで大きく改善。
② 近くのトイレだけに集中しないよう掲示
「こちらのトイレは混んでいます→別ルートへ」
という案内を貼ると流れが変わる。
③ 簡易トイレを“追加設置”
● 校庭側
● 体育館入口横
● 夜間用に屋内1台
など、1〜2個追加するだけで渋滞が劇的に減る。
④ 家族内で“使用タイミングをずらす”
特に朝7時〜9時は最も混む時間帯。
家族で交代制にするだけで並ぶ時間が短くなる。
⑤ 夜間トイレの明かりを強化
暗いと利用が減り、朝の大渋滞の原因になる。
夜は
● 足元ライト
● LEDランタン
● ドア横ライト
を置くとスムーズになる。
■ 綺麗さを保つことで渋滞が減る理由
「汚いトイレ → 敬遠者が増える → 1か所に集中」
という悪循環が起きます。
● ゴミ箱を置く
● トイレットペーパーを補充
● 掲示板でルール共有
をするだけで利用が分散します。
■ 家庭で準備しておくと安心なトイレ装備
● ポータブルトイレ
● 凝固剤(20〜30個)
● 消臭袋
● トイレ用簡易テント
● ウエットティッシュ
● 消毒スプレー
在宅避難のトイレは“家族の命”を守る最重要設備です。
■ まとめ
避難所のトイレは、
渋滞・汚れ・暗さ
この3つが健康とメンタルに大きな影響を与えます。
しかし、
● 分散利用
● 追加設置
● 夜間照明
● 家族内ルール
これらを整えるだけで、
トイレ問題は大幅に改善できます。
避難生活の質は「トイレ」が決めるといっても過言ではありません。
初日からトイレ動線を整え、安心して過ごせる環境を作りましょう。

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