避難所では、食料配布・炊き出し・差し入れなど
“さまざまな食べ物が混在する”ため、
食物アレルギーを持つ人にとって危険が増えます。
特に子どもは症状が強く出やすく、
誤食はアナフィラキシー(急激で重いアレルギー反応)につながるため、
避難初日から徹底した対策が必要です。
ここでは、防災士としての視点で
避難所のアレルギー対策を分かりやすくまとめます。
■ 避難所でアレルギー事故が起きやすい理由
● 食料品が無造作に置かれる
● 表示が読みづらい(暗い・袋のシワ)
● 避難者同士の“善意の配布”で誤食
● 炊き出しの材料が不明
● 共有スペースで食べるため混入リスク
● 子ども同士の交換食で事故が起きる
● スタッフがアレルギーを把握しきれない
避難所は“アレルギー情報が不足しやすい環境”です。
■ 症状が重く出やすい代表的なアレルギー
● 乳製品
● 卵
● 小麦
● そば
● 落花生(ピーナッツ)
● エビ・カニ
● キウイ・果物類
特に 乳・卵・小麦は避難食で頻出 するため要注意。
■ 避難者がやるべき初動の安全行動
① アレルギー情報を必ずスタッフへ申告
名簿に記載してもらい、物資配布時に配慮してもらう。
② 食料配布の前に必ず“原材料表示”を確認
暗い場合はスマホライトで照らす、
読めなければスタッフに相談する。
③ “もらい食べ”を絶対にしない
善意で配られた食べ物ほど危険。
④ アレルギーの子どもは“家族区画内で食事”
共有テーブルだと混入リスクが高い。
⑤ 反応が出たときの対応方法を家族で統一
● 症状(かゆみ・咳・吐き気)を共有
● どの段階で病院に連絡するか決めておく
■ 避難所スタッフができるアレルギー対策
● 食物アレルギー申告フォームを受付で配布
● アレルゲン表示を大きく掲示
● アレルギー配慮食を“別に仕分け”
● 炊き出しメニューの原材料を掲示
● 誤食防止のための食事ゾーンを分割
● 子どもの誤食防止への注意喚起
避難所運営では“情報の見える化”が事故を防ぎます。
■ 重篤な症状(アナフィラキシー)の兆候
● 口の中の違和感
● 全身のかゆみ
● 蕁麻疹
● 腹痛・嘔吐
● 咳・ゼーゼー
● ぐったりする
● 意識が遠のく
症状が“複数同時に出る”場合は、命の危険があります。
■ 応急対応(命を守る行動)
● すぐに119番
● 横に寝かせ、足を少し上げる
● 服を緩めて呼吸確保
● 嘔吐物で窒息しないよう横向きに
● エピペンを持っている人は迷わず使用
アナフィラキシーは“数分で悪化”するため迅速な行動が必要です。
■ 家庭で備えておくべきアレルギー対策
● 自分専用の非常食
● アレルギーカード(情報をまとめた紙)
● 薬(抗ヒスタミン薬など)
● 使い慣れた調味料
● 食器の使い回し防止セット(紙皿・箸)
避難所で手に入らない食材は、
“自宅備蓄でカバー”することが最も安全です。
■ まとめ
避難所の食物アレルギー対策は、
誤食防止 × 情報共有 × 食事の分離
が鍵です。
避難初日から
● 申告
● 表示確認
● もらい食べ禁止
● 食事スペースの工夫
この4つを徹底することで、
アナフィラキシーという重大事故を確実に防げます。
避難生活で“命を守るための食事管理”を徹底しましょう。

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