地震・豪雨・土砂災害など、
災害時には“ペットと一緒に避難する”ケースが増えています。
しかし避難所には動物が苦手な人も多く、
衛生・鳴き声・におい・安全など、多くのトラブルが発生しやすいのも事実です。
ここでは防災士として、
避難所でペットと安心して過ごすための「正しい同行避難の知識」をまとめます。
■ そもそも“同行避難”とは?
● 飼い主とペットが一緒に避難所へ向かうこと
● ただし「同じ部屋で一緒に過ごす」わけではない
(※多くの避難所では人とペットのスペースは分離)
同行避難=「避難所まで一緒に来ること」は推奨されていますが、
避難所内の生活スペースは“人とペットを分ける運用”が一般的です。
■ 避難所でペットトラブルが起きやすい理由
● 鳴き声で周囲が眠れない
● アレルギーの人が多い
● 動物が苦手・恐怖感がある人も多い
● ケージがないと安全を確保できない
● 糞尿の処理で衛生問題が起きる
● 犬・猫・小動物が混在して混乱
避難所は“多様な人が生活する場所”なので、
ペットへの配慮&トラブル回避が非常に重要です。
■ ペット同行避難で必須の持ち物
● キャリーバッグ・ケージ
● リード・ハーネス(予備含む)
● ペットシーツ
● うんち袋
● 水・フード(最低3日分)
● 食器
● ブランケット(安心感UP)
● お気に入りのおもちゃ
● ペットの健康手帳・ワクチン記録
避難所で“安心させるアイテム”は非常に効果的。
■ 避難所での基本ルール(最重要)
① 必ずケージに入れる
→ ペットが苦手な人への配慮
→ 急な飛び出し・咬傷事故の防止
② ペット専用スペースを利用する
多くの避難所では
● 体育館外のスペース
● 校舎1階の空き教室
● 玄関横のエリア
がペット用に設定されます。
③ 排泄物は飼い主が100%管理
臭い・感染症の原因になるため最重要。
④ 夜間は特に“鳴き声対策”
布をかける、近くに飼い主が座る、静かな場所に移すなど工夫が必要。
⑤ 他のペットと接触させない
トラブル・ケンカ・感染症のリスクがあります。
■ ペットのストレスを減らすポイント
● 匂いのついたタオル・ブランケットを入れる
● 大声を出さない
● 身体をやさしく触って安心させる
● 規則正しく食事の時間を守る
● 人の多い通路は避ける
避難所の“非日常環境”はペットにとって強いストレス。
安心材料を増やすことが大切です。
■ 避難所スタッフができる支援
● ペット専用ルールの掲示
● 区画分け(犬・猫・小動物)
● 静かな場所へ誘導
● 排泄物処理セットの提供
● 飼い主との相談窓口の設置
小規模な工夫だけで、避難所全体のストレスを大きく減らせます。
■ 在宅避難でのペット対策
● 留守番中の“迷子防止タグ”
● 首輪に名前・連絡先
● ペット用非常食
● 逃走防止ゲート
● 家具の転倒対策(ペットの下敷き防止)
ペットも“家族の一員”。
在宅避難でも安全確保が重要です。
■ まとめ
避難所のペット同行避難は、
飼い主の責任 × 周囲への配慮 × ペットの安心
この3つが基本になります。
避難生活は人も動物もストレスが大きくなりがちですが、
● ケージ管理
● 専用スペース利用
● 衛生管理
● 鳴き声対策
● 事前準備
これらを整えるだけで、トラブルは確実に防げます。
大切な家族(ペット)を守りつつ、
避難所で安心して過ごせる環境を整えましょう。

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