【防災士が解説】ダンボールベッド作成教室の運営ポイント|防災訓練を「形だけ」で終わらせないために

ダンボールベッド作成教室は、やり方次第で「ただの工作体験」にも、「本当に役立つ防災訓練」にもなります。防災士として現場を見てきた中で感じるのは、少しの工夫で参加者の理解度と行動力が大きく変わるということです。ここでは、自治体や地域が実施する際に意識してほしい運営のポイントをまとめます。


■① 完成品を最初に見せない

最初から完成したダンボールベッドを見せてしまうと、参加者は「作り方を覚える」より「見て終わる」姿勢になります。
あえて完成形を見せず、「どうすれば床から離せるか」を考えさせることで、自律型の発想が育ちます。


■② 資材は“少し足りない状態”で始める

完璧にそろった資材は、実災害とはかけ離れています。
箱のサイズが違う、数が足りないなど、あえて不完全な状況を作ることで、「工夫する訓練」になります。


■③ 正解は一つではないと最初に伝える

参加者が手を止める最大の理由は、「これで合っているのか不安」になることです。
「床から体が離れればOK」「多少歪んでも問題ない」と最初に伝えることで、行動が止まりません。


■④ 必ず「実際に寝てみる」時間を作る

見る・作るだけで終わらせず、必ず寝て、立ち上がってもらいます。
床との違いを体感することで、「なぜ必要か」が腹落ちします。


■⑤ 子ども・高齢者に役割を用意する

力仕事ができる人だけが主役になると、防災は広がりません。
折る、並べる、数を数える、声をかけるなど、誰でも参加できる役割を意識的に作ります。


■⑥ 「これは避難所で起きる話」と結びつける

作業中に、
・なぜ初日が大事か
・なぜ待つのが危険か
・なぜ自分たちで作る必要があるか
を具体的な避難所の話として伝えることで、訓練が現実と結びつきます。


■⑦ 訓練後に「家庭でできること」を示す

教室で終わらせず、
・家にあるダンボールで再現できる
・テントや毛布と組み合わせる
など、家庭での備えにつなげる一言が重要です。


■⑧ 指導者は「教える人」ではなく「一緒に考える人」

一方的な説明では、自律型避難は育ちません。
参加者と一緒に悩み、考え、作る姿勢が、そのまま自律型避難のモデルになります。


■まとめ|作成教室は「考える訓練」にする

ダンボールベッド作成教室の価値は、完成品そのものではありません。

結論:
「どう作るか」を考えさせることが、自律型避難を育てる

防災士として、うまくいった教室ほど「失敗してもいい空気」がありました。
その空気の中でこそ、人は考え、動き、災害時にも自分で判断できるようになります。
ダンボールベッド作成教室は、防災を“自分ごと”に変える最高の機会です。

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