防災教育について語るとき、必ず出てくるのが「誰が教えるのか」という問題です。学校の先生、行政職員、地域の大人。どれも大切ですが、防災の現場を見てきた立場から言えるのは、「専門家が関わることで、防災教育は一段深くなる」ということです。ただし、専門家だけでは完結しません。
■① 防災教育は“誰でもできる”が“誰でも同じではない”
避難訓練や基礎知識の共有は、多くの人が担えます。
しかし、災害の現実や判断の難しさを伝えられるかどうかには差があります。
■② 専門家が持つ最大の価値は「現場の視点」
防災士、元消防職員、医療関係者。
専門家は、教科書には載らない
「実際に起きたこと」「迷った判断」「失敗の結果」
を語ることができます。
■③ 専門家がいると“想像”が具体になる
災害後の生活、避難所の混乱、支援が届かない時間。
専門家の話は、抽象的な防災を一気に現実の問題に引き寄せます。
■④ ただし専門家任せは続かない
専門家は数が限られ、常駐もできません。
防災教育を専門家だけに任せると、継続性が失われます。
■⑤ 専門家の役割は「教える」より「育てる」
理想的なのは、
専門家が最初の火種をつくり、
その後は学校・地域・家庭が引き継ぐ形です。
■⑥ 教師・地域と専門家の役割分担
・専門家:現場のリアル、判断の軸を伝える
・教師:学習として継続させる
・地域:日常の行動に落とし込む
この分担が、防災教育を根づかせます。
■⑦ 子どもにとって「本物に会う」経験は強い
一度でも専門家の話を聞いた子どもは、
防災を「誰かの話」ではなく「自分の問題」として捉えます。
この影響は長く残ります。
■⑧ 専門家は“伴走者”であるべき
答えを教える存在ではなく、
一緒に考え、問いを投げかける存在。
それが防災教育における専門家の最適な立ち位置です。
■まとめ|防災教育は専門家と社会の共同作業
防災教育に正解の担い手は一人ではありません。
結論:
専門家が関わることで、防災教育は「知識」から「判断力」へ進化する
防災士として、専門家の話をきっかけに、学校や地域が主体的に動き出した現場を数多く見てきました。
防災教育は、専門家が一歩入り、社会全体で育てていくものです。

コメント