災害現場では、全員が同時に動けることはほとんどありません。混乱、不安、情報不足の中で、多くの人は立ち止まります。しかし、防災の現場で何度も感じてきたのは、「動ける人が一人いるだけで、周囲の状況が大きく変わる」という事実です。自律型避難が重要視される理由は、ここにあります。
■① 災害直後、多くの人は動けない
恐怖や混乱で、人は判断力を失います。
これは特別なことではなく、ごく自然な反応です。
だからこそ、最初に動ける人の存在が貴重になります。
■② 動ける人は「行動のきっかけ」になる
一人が立ち上がり、声を出し、動き始める。
それだけで、周囲の人は「動いていい」と感じられるようになります。
■③ 役割が生まれると人は動ける
「ここを空けましょう」「段ボールを集めましょう」
具体的な行動を示されると、人は不安より行動が先に出ます。
■④ 動ける一人が五人を助ける構造
動ける人が
・声をかける
・配置を考える
・優先順位を示す
ことで、動けなかった五人が安全な行動に移れます。
■⑤ 助けられた人が次の支え手になる
一度助けられ、落ち着いた人は、
次に別の誰かを助ける側に回ります。
支援は連鎖します。
■⑥ 特別な能力はいらない
必要なのは、
・少しの知識
・やったことがある経験
・「無いなら作る」という発想
これだけで十分です。
■⑦ 自律型避難は「動ける人」を意図的に増やす
自律型避難の目的は、全員を完璧にすることではありません。
最初に動ける人を、意図的に増やすことです。
■⑧ 一人分の行動が、五人分の安心を生む
動ける人が一人いるだけで、
現場の空気は落ち着き、混乱は抑えられます。
安心は、何よりの支援になります。
■まとめ|一人の行動が、五人の命を守る
防災は、人数の多さではありません。
結論:
動ける人が一人増えると、助かる人が五人増える
防災士として、最初に動けた一人がいた現場ほど、避難所の立ち上がりが早く、混乱が最小限に抑えられていました。
自律型避難とは、ヒーローを育てることではありません。
「最初に動ける普通の人」を増やすことです。

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