災害で最初に壊れるライフライン——
それが “トイレ” です。
断水・停電・下水の逆流、どれが起きても
家庭のトイレはすぐに“使えない状態”になります。
避難よりも生活よりも前に、
まず準備すべきなのが「トイレ対策」。
ここでは元消防職員・防災士として、
災害トイレの現実と、家庭で整えるべき対策をまとめます。
■ 結論：家庭には“1人1日5〜7回×3〜7日分”の携帯トイレが必須
トイレ回数の目安は
● 大人：5〜7回
● 子ども：6〜10回
最低3日分、理想は7日分以上あると安心。
■ なぜ災害時にトイレが最初に壊れるのか？
① 断水で水が流れなくなる
タンクの水が無くなれば、もう流せません。
② 下水管が破損し“逆流”の危険
地震で排水管が壊れると、
流した水が戻ってきて家中が汚水だらけに。
③ 停電で浄化槽が動かない
浄化槽が止まると、水を流すだけで逆流リスク。
④ 避難所のトイレが混雑・故障
行列・悪臭・衛生状態の悪化が多発。
■ トイレが使えないと生活が破綻する理由
● 家から離れられない
● 不衛生で病気が広がる
● 子ども・高齢者が特に困る
● ニオイ・汚れでメンタルも崩れる
● 洗い物が増える（＝水が必要）
これらが積み重なると、避難より難しい状況になります。
■ 家庭のトイレ対策で必ず準備するもの
① 携帯トイレ（1人5〜7回×7日＝40〜50回分）
袋に固めるだけで使える最強のアイテム。
家庭用は“便座にかぶせるタイプ”が便利。
② 消臭・凝固剤
ニオイと衛生管理のため必須。
③ 大きめの黒いゴミ袋（45L）
使用済みトイレを二重にして密閉します。
④ アルコールスプレー
手洗いできない時の衛生対策。
⑤ ウェットティッシュ・体拭きシート
水がない生活の衛生を守る基本。
■ 携帯トイレの正しい使い方（簡単3ステップ）
① トイレの便座に袋をかぶせる
② 排泄したら凝固剤を入れる
③ ゴミ袋に入れてしっかり密閉
これだけで、どんな災害でもトイレを確保できます。
■ 避難所では“トイレ環境が悪化するスピード”が早い
● 断水で流せない
● ペーパーが枯渇
● 清掃が追いつかない
● 固まった汚物が詰まる
● 行列で30〜40分待ち
だからこそ、家庭で携帯トイレを持つことが
避難所ストレスと衛生リスクを大幅に減らします。
■ 乳児・高齢者家庭でのプラス対策
● おむつを多めに
● 使い捨ての手袋
● 消臭袋
● ポータブルトイレ（余力があれば）
特に高齢者は“夜のトイレ”が命に関わることも。
■ まとめ
災害時に最も重要なのは、
「自宅でトイレが使える状態を確保すること」 です。
● 1人5〜7回／日
● 3〜7日分の携帯トイレ
● 衛生・消臭セット
● 使い方の確認
これだけで、断水・停電・地震・豪雨すべてに対応できます。
“トイレさえ確保できれば、災害は乗り越えられる”。
今日から家族分を揃えておきましょう。
コメント