【防災士が解説】災害時に“車中避難”を選ぶときのポイント|安全に過ごすための必須知識

地震・豪雨・停電・断水で自宅や避難所が使えないとき、
車中避難は重要な選択肢になります。
しかし、正しい知識がないと健康被害や事故につながるため、
安全に行うためのポイントをまとめます。


■ 車中避難が有効なケース

● 自宅が危険(倒壊・浸水・土砂災害の恐れ)
● 避難所が満員、または距離が遠い
● 乳児・高齢者がいて避難所環境が厳しい
● 深夜で避難所へ移動が困難
● 感染症が心配な場合

車は「プライバシー」「温度管理」「移動性」があり、
短期避難に向いている。


■ 車中避難で“最優先”に気をつけること

① エコノミークラス症候群を防ぐ

長時間同じ姿勢は危険。
● 2〜3時間ごとに軽い足のストレッチ
● 座席を倒して足を伸ばす
● 水分をしっかり取る
これだけで発症リスクは大幅に減る。


② こまめに換気をする

車は密閉空間。
● 二酸化炭素の上昇
● 酸素不足
● 眠気
を防ぐため、定期的に窓を少し開ける。

雨の日は“少しだけの隙間”でも効果あり。


③ エンジンをかけっぱなしにしない

排気ガスによる中毒や火災の危険がある。

特に
● 雪
● 豪雨
● 浸水域
では絶対に避ける。


④ 昼夜の気温差に備える

車内は外気温に左右されやすい。
● 夏:サンシェード・窓少し開ける
● 冬:毛布・寝袋・カイロ
温度管理が安全の鍵。


■ 必ず準備しておくべき車中避難グッズ

● モバイルバッテリー
● ポータブルライト
● 携帯トイレ(多めに)
● 水(1日1人3〜4L)
● 食料(パン・ゼリー・栄養食)
● 毛布・寝袋
● サンシェード
● ウェットティッシュ
● ゴミ袋(45L黒)
● USB充電器

これらが揃うと“1〜2日程度”は問題なく過ごせる。


■ 車中避難で適した場所

● 高台の安全な駐車場
● 避難所の駐車場(許可制の場合あり)
● 商業施設の災害開放駐車場(自治体が案内することがある)

河川近く・斜面・浸水の恐れがある場所は避ける。


■ 子ども・高齢者の場合の注意点

● 眠りやすい環境を整える
● トイレ問題を最優先で解決
● 飲み物・お菓子を多めに
● 車内ヒーターを使わない前提で準備

特に高齢者は足のむくみや脱水に注意。


■ 車中避難で“やってはいけないこと”

● エンジンをつけて寝る
● 河川敷に停める
● 斜面の下に停める
● 暑さ・寒さ対策を軽く考える
● トイレを準備しない
● 深夜に無理な移動をする

小さな判断ミスが大きな事故につながる。


■ まとめ

車中避難は、
自宅や避難所が使えないときの「大切な第三の避難場所」。

● 姿勢を変えて血流を保つ
● 換気
● エンジンはかけない
● 水・トイレ・防寒対策
● 安全な場所へ駐車

この5つを徹底するだけで、
車中避難の安全性は大きく上がります。

車は“動く避難所”。
正しい準備で家族の命を守る避難手段になります。


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