【防災士が解説】防災×防災研究者と一般住民の意識の差|なぜ知見が行動に結びつかないのか

防災研究は進み、データも知見も蓄積されています。
それでも現場では、同じ被害が繰り返される。
その背景にあるのが「防災研究者」と「一般住民」の意識の差です。
この差を理解し、埋めることが、被害軽減の近道になります。


■① 視点の出発点が違う

研究者は
全体像・確率・再現性。
住民は
今・自分・家族。
出発点が違えば、伝わり方も変わります。


■② 時間軸の捉え方が違う

研究者は
数十年・百年単位。
住民は
今日・今夜・明日。
長期視点の正しさが、短期行動に直結しません。


■③ 正解を示す人と、迷いの中にいる人

研究は
「こうすべき」が語れる。
住民は
「どうしよう」と迷っている。
この心理差が行動を止めます。


■④ リスクの言語が違う

研究者は
確率・想定・数値。
住民は
感覚・経験・噂。
言葉の翻訳が足りていません。


■⑤ 失敗に対する許容度が違う

研究は
検証としての失敗を許容。
住民は
「間違えたくない」。
この差が、空振り避難をためらわせます。


■⑥ 現場経験の量が違う

研究者は
多くの事例を俯瞰。
住民は
自分の経験がすべて。
経験の非対称性が判断を分けます。


■⑦ 情報量が多すぎると逆効果

正確でも、
多すぎる情報は動けなくする。
研究成果は「減らして伝える」工夫が必要です。


■⑧ 差を埋める鍵は「行動設計」

何を考え、
何をしないか。
判断を減らす設計が、研究と生活をつなぎます。


■まとめ|差は欠点ではなく前提

研究者と住民の意識差は、
どちらかが間違っているわけではありません。

結論:
防災は「正しさ」より「動ける形」に翻訳してこそ力になる

防災士として現場を見てきましたが、研究の知見が生きた場面には必ず「翻訳役」がいました。
専門を、生活の言葉へ。
理論を、行動へ。
その橋渡しこそが、これからの防災に最も必要だと強く感じています。

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