防災専門家は、正確で科学的な情報を発信しています。
それでも一般住民には、十分に伝わっていません。
現場で感じるのは、「間違っているから伝わらない」のではなく、「伝わり方が合っていない」という現実です。
■① 専門家の言葉は“正しすぎる”
確率、
想定、
専門用語。
正確であるほど、日常の判断には使いにくくなります。
■② 住民は「今どうするか」を知りたい
研究成果より、
結論より、
「今、この瞬間に何をすればいいか」。
ここが噛み合っていません。
■③ 情報量が多く、判断が止まる
丁寧な説明は、
安心を生む一方で、
行動を遅らせることがあります。
人は迷うと動けません。
■④ 不安を強めてしまう伝え方
危険性を強調しすぎると、
恐怖が先に立ち、
思考停止が起きます。
■⑤ 成功事例より失敗事例が少ない
「こうすれば助かる」より、
「こうして困った」。
失敗談の方が、行動に結びつきやすい。
■⑥ 一方通行の説明になりがち
講義、
発表、
会見。
聞くだけでは、自分事になりません。
■⑦ 住民の生活文脈が反映されていない
夜勤、
子育て、
高齢者介護。
生活の現実を無視した話は、実行されません。
■⑧ 翻訳役が不足している
専門と生活のあいだをつなぐ人。
現場目線で言い換える存在。
この役割が決定的に足りません。
■まとめ|伝わらないのは能力の問題ではない
専門家の話が伝わらないのは、
住民が理解できないからではありません。
結論:
防災は「正しく伝える」より「動ける形に翻訳する」ことが重要
防災士として現場を見てきましたが、行動につながった場面には必ず「わかりやすく言い換えた人」がいました。
専門性を下げるのではなく、
行動に変換する。
それが、これからの防災コミュニケーションに最も必要な視点だと強く感じています。

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