【防災士が解説】地震後に“車で避難”するとき絶対やってはいけない5つの行動

地震発生後、車で避難する家庭は少なくありません。雨・寒さ・子ども・高齢者の事情を考えれば合理的な選択にもなります。しかし、車避難には特有の危険があり、誤った行動は“命に直結”します。ここでは、地震後に車で避難するとき絶対に避けるべき行動を解説します。


■ ① 渋滞の中で無理に走り続ける

地震直後は信号の停止・道路の損壊・渋滞が重なります。
その中を無理に走ると、

● 交差点での衝突
● 橋の損傷に気づけない
● 停電で通行が危険

などのリスクが一気に高まります。

“動くより止まる”を優先し、まず周囲を確認することが重要です。


■ ② 夜間に街灯の消えた道路を走る

停電時の道路は、
「見えない穴」「見えない段差」「見えない横断歩行者」だらけ。

特に危険なのが、

● 液状化による路面沈下
● ブロック塀・看板の落下
● 側溝のフタ外れ
● ガレキの散乱

夜間走行は大事故の原因になります。


■ ③ ガソリンが少ないまま移動する

災害時はガソリンスタンドが長蛇の列になり、補給できない状況が続きます。
ガソリン残量が少ないまま車で避難すると、

● エアコンが使えない
● 暖房が使えない
● 長距離移動ができない

など、避難計画が破綻します。

※ 日頃から“半分以下になったら給油”が防災の基本。


■ ④ 車内で一晩“エンジンをかけて”過ごす

もっとも危険なのが一酸化炭素中毒です。

● 排気ガスが雪や土砂でふさがれる
● 狭い場所でガスが溜まる
● 風向き次第で逆流

実際、多くの災害で死亡事故が発生しています。

車中泊するなら、
● 窓を少し開ける
● 風通しを確保
● エンジン停止
● 毛布や寝袋で寒さ対策

が絶対条件です。


■ ⑤ 車だけに頼って避難計画を立てる

車は便利ですが、万能ではありません。

● 道路が寸断
● 交通規制
● ガソリン不足
● 避難所の駐車場満杯

という事態は非常に多く、
「車で避難する前提」は危険です。

徒歩・在宅避難・避難所など複数ルートを用意することが防災の基本。


■ まとめ

地震後の車避難は便利な面もありますが、同時に“重大な危険”もあります。

● 渋滞を突っ切らない
● 夜の停電道路は走らない
● ガソリン残量は常に確保
● 車中泊の一酸化炭素中毒に注意
● 車だけに依存しない計画を

安心して家族を守るためには、車の特性を理解し、冷静に判断することが何より大切です。

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