防災気象情報は、来年5月から大きく変わります。
情報は整理され、名称はシンプルになり、行動指針も明確になります。
それでも私は現場で、
「結局、動けない人は動けない」
という現実が続くと感じています。
問題は、情報の中身だけではありません。
■① 情報は“改善”され続けている
気象庁の防災気象情報は、
これまでも何度も改善されてきました。
・警戒レベルの導入
・色分けされた危険度分布
・行動と結びつけた表現
制度としては、確実に前進しています。
■② それでも被害が減らない現実
しかし災害のたびに聞こえるのは、
・知らなかった
・自分は大丈夫だと思った
・様子を見ていた
という声です。
情報が高度化しても、
行動に結びついていないのが実態です。
■③ 人は情報だけでは動かない
人は合理的な存在ではありません。
・過去の経験
・周囲の空気
・正常性バイアス
こうした心理が、
「今はまだ大丈夫」という判断を生みます。
どれだけ正しい情報でも、
感情を越えられなければ動けません。
■④ 「新しい情報=安全」ではない
新たな気象情報は、
あくまで“判断材料”の一つです。
情報が変わったことで、
「前より安全になった」
と誤解される危険もあります。
本当は、
判断する責任が住民側により強く委ねられています。
■⑤ 情報を“使いこなす力”が必要
これから求められるのは、
情報を待つ姿勢ではなく、
・自分の地域に当てはめる
・自分の生活で考える
・自分で動く判断をする
という力です。
これは知識ではなく、訓練で身につきます。
■⑥ 自律型避難が前提の時代へ
災害の激甚化・頻発化により、
行政がすべてをカバーする時代は終わりました。
・情報は出る
・判断は個人
・行動も個人
この前提に立たなければ、
どんな新制度も機能しません。
■⑦ 情報を受け取る側の準備不足
防災教育が不十分なまま、
情報だけを高度化してもギャップが生まれます。
・警戒レベルの意味を知らない
・避難基準が整理されていない
・家族で話し合っていない
これでは、行動は起きません。
■⑧ 「知っている」から「できる」へ
防災は知識競争ではありません。
・実際に歩いてみる
・避難所まで行ってみる
・夜や雨の日も想定する
こうした体験が、
情報を“使えるもの”に変えます。
■まとめ|新しい情報を生かせるかは人次第
防災気象情報は進化します。
制度も、表現も、確実に良くなっています。
しかし――
命を守るかどうかを決めるのは、情報ではなく人の行動です。
新しい情報を待つのではなく、
それを使いこなせる力を
日常の中で育てていくこと。
防災士として、
そこにこそ本当の防災の答えがあると感じています。

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