災害のたびに繰り返される
「高齢者の避難が間に合わなかった」という報道。
これは努力不足ではありません。
すでに高齢者避難は“限界構造”に入っていると、現場では感じています。
■① 高齢化が前提を壊している
日本の防災計画は、もともと
「ある程度、自分で動ける人」が前提です。
しかし現実は、
・75歳以上人口の急増
・独居高齢者の増加
・要支援・要介護者の増加
避難そのものが困難な人が多数派になりつつあります。
■② 「早く逃げればいい」は成り立たない
よく言われる
「早めに避難すればいい」という言葉。
高齢者には当てはまりません。
・準備に時間がかかる
・移動に倍以上の時間
・夜間・悪天候は致命的
結果として、
早めでも間に合わないケースが現実にあります。
■③ 情報を理解すること自体が難しい
避難情報は年々増え、複雑化しています。
・警報
・警戒情報
・危険情報
・レベル分け
高齢者ほど、
「結局、今どうすればいいのか分からない」
状態に陥ります。
■④ 支援する側も限界に近い
高齢者避難は、
・家族
・近隣住民
・民生委員
・行政職員
に依存しています。
しかし、
・担い手の高齢化
・人手不足
・災害の同時多発
支援する側も動けない状況が増えています。
■⑤ 避難所が安全とは限らない
高齢者にとって避難所は、
必ずしも「安全な場所」ではありません。
・トイレまで遠い
・段差が多い
・寒暖差が激しい
・感染症リスク
「避難=命を守る」と単純に言えないのが現実です。
■⑥ 行政対応には物理的な限界がある
名簿整備、訓練、計画。
行政は努力していますが、
・全員を迎えに行けない
・発災直後は混乱
・道路寸断
全高齢者を救うことは不可能です。
■⑦ だから必要なのは発想転換
これからの高齢者防災は、
「全員を避難させる」から
「避難しなくても命を守る」へ。
・在宅避難の強化
・事前の安全確保
・自律型避難の支援化
方向転換が不可欠です。
■まとめ|限界を認めることが第一歩
高齢者避難は、
もう気合や根性で解決できません。
結論:
高齢者避難は限界に来ている。
だからこそ、防災の仕組みを変える必要がある。
防災士として、現場で見続けてきた現実です。

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