高齢者の避難が難しい理由は、
体力や判断力の問題だけではありません。
最大の要因は、
少子高齢化そのものです。
これは一時的な課題ではなく、
今後さらに深刻化する「構造問題」です。
■① 支える人が減り、支えられる人が増える
日本の人口構造は、
・高齢者は増え続け
・若年層は減り続け
という一方向に進んでいます。
避難行動要支援者が増える一方で、
支援できる人は確実に減っています。
■② 「共助」が成立しにくくなっている
これまでの防災は、
近所同士で助け合う「共助」が前提でした。
しかし現実は、
・地域のつながりが希薄
・若者は地域外へ通勤
・昼間は高齢者だけ
災害時に助け合える人数そのものが不足しています。
■③ 家族による支援にも限界
「家族が迎えに行けばいい」
そう簡単ではありません。
・子ども世代は別居
・共働きで不在
・遠方に住んでいる
結果として、
高齢者が孤立したまま災害に直面します。
■④ 行政人員も減少していく
少子高齢化は、
行政職員の数にも影響します。
・災害対応職員の不足
・高齢化する自治体職員
・応援要請の遅れ
行政だけで高齢者避難を担うことは、
今後ますます困難になります。
■⑤ 避難所運営も高齢化する
避難所を支えるのも地域住民です。
しかし、
・運営側も高齢者
・力仕事ができない
・長時間対応が困難
避難所そのものが機能不全に陥るリスクがあります。
■⑥ 少子高齢化は止められない
重要なのは、
少子高齢化を「止めよう」とすることではありません。
すでに進行している現実として、
前提条件として受け入れることです。
■⑦ 解決の鍵は「避難の分散」
全員を一斉に避難させる方法は、
少子高齢化社会では破綻します。
・在宅避難
・縁故避難
・分散避難
・自律型避難
選択肢を増やすことが不可欠です。
■⑧ 高齢者を「守られる側」にしない
高齢者を
「助けられる存在」だけにすると、
防災は回りません。
・できる役割を持つ
・判断力を尊重する
・事前準備を支援する
主体性を守ることが命を守ります。
■まとめ|少子高齢化時代の防災へ
少子高齢化は、
高齢者避難を根本から変えています。
結論:
少子高齢化社会では、従来型避難は成立しない。
防災士として断言します。
これからの防災は、
現実を直視し、形を変える覚悟が必要です。

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