高齢者避難の対策として、
よく挙げられるのが
「スマホ操作を教えればいい」という考えです。
しかし現場では、
スマホ操作教育だけでは命は守れない
という限界がはっきり見えています。
■① 平常時にできても災害時はできない
スマホ教室で操作を覚えても、
災害時は状況がまったく違います。
・強い不安
・時間的切迫
・停電や通信不良
・夜間や悪天候
平常時にできた操作が、
非常時にできるとは限りません。
■② 高齢者の認知・身体特性を無視している
高齢者には個人差がありますが、
多くの場合、
・視力低下
・聴力低下
・指先の動きにくさ
・判断スピードの低下
があります。
操作を「覚えさせる」こと自体が、
現実的でないケースも多いのです。
■③ 操作手順は災害時に思い出せない
スマホ操作は、
「順番」を覚える必要があります。
・どこを押す
・次に何が出る
・戻り方はどれか
災害時、
この手順を思い出せる高齢者は多くありません。
■④ アプリが多すぎて選べない
行政や民間の防災アプリは、
種類が多すぎます。
・どれが正しいのか分からない
・通知が多くて混乱する
・普段使っていない
結果として、
どれも使われないままになります。
■⑤ 教育より「設計」を変えるべき
高齢者に合わせて
人を変えようとするのではなく、
仕組みを高齢者に合わせる
発想が必要です。
・自動表示
・自動音声
・ワンタップ操作
・強制的に目に入る設計
これが現実的な対策です。
■⑥ 家族連携を前提にする
高齢者単独で完結する防災は、
すでに限界です。
・家族へ同時通知
・家族が判断を補助
・遠隔での安否確認
「家族と一体で使う」前提が不可欠です。
■⑦ 教育のゴールを見直す
目指すべきは、
操作を完璧に覚えてもらうことではありません。
・警告に気づく
・行動を起こす
・助けを求める
この3点ができれば十分です。
■⑧ 防災は人に無理をさせてはいけない
防災は、
努力できる人だけが助かる仕組みではいけません。
誰でも、
迷わず、
失敗しても、
助かる仕組みが必要です。
■まとめ|教育には限界があると認める
高齢者スマホ対策は、
教育だけでは解決しません。
結論:
高齢者防災は「教える」から「任せられる設計」へ。
防災士として、
現場で何度も痛感してきた現実です。

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