【防災士が解説】防災×再利用|善意が危険に変わる瞬間、災害現場のリアル

災害が起きると、必ず増える言葉があります。
「何か役に立てることはないか」
「使えるものは再利用しよう」

この気持ちはとても尊いものです。
しかし、防災の現場では再利用が命を守る場合と、命を脅かす場合があります。

防災における「再利用」は、環境の話ではありません。
安全と判断の話です。


■① 防災で再利用が求められる理由

災害時は物資が不足します。

・物流が止まる
・在庫が届かない
・必要な物が手に入らない

その中で、現場では
「今あるもので何とかする」
という判断が常に求められます。

ダンボール、毛布、衣類、容器、家具。
再利用は現場対応力そのものです。


■② 再利用が“命を救う”ケース

実際の災害現場では、再利用が大きな力を発揮してきました。

・ダンボールベッド
・毛布を重ねた簡易防寒
・ペットボトルを使った簡易照明
・空き容器での手洗い装置

これらはすべて、
既存の物を安全に転用した成功例です。

共通点は、
・用途が明確
・衛生管理が可能
・危険が予測できる

という点です。


■③ 再利用が“危険”になる瞬間

一方で、再利用が事故につながるケースもあります。

・濡れたダンボールを寝具に使う
・汚れた毛布をそのまま配布
・壊れかけの電化製品を使用
・出所不明の資材を安易に活用

災害現場では、
「もったいない」
「今は非常時だから」
という判断が、リスクを見逃す原因になります。


■④ 見えないリスク|汚染・菌・化学物質

再利用で特に注意すべきは、
目に見えない危険です。

・細菌・ウイルス
・カビ
・化学物質
・粉じん

特に水害後の物品は、
一見きれいでも内部が汚染されていることがあります。

防災では、
「見た目で判断しない」
ことが鉄則です。


■⑤ 放射性物質・特殊災害との関係

原子力災害や大規模事故の現場では、
再利用はさらに慎重になります。

・放射性物質
・有害粉じん
・化学汚染

これらが関与する場合、
再利用は原則NGです。

専門的な測定や除染なしに使うことは、
二次被ばくや健康被害につながります。

善意であっても、
使ってはいけない物が存在します。


■⑥ 防災における「使っていい再利用・ダメな再利用」

判断の基準はシンプルです。

使っていい再利用
・用途が限定的
・衛生管理できる
・壊れていない
・水・火・電気のリスクがない

避けるべき再利用
・出所不明
・濡れている
・破損している
・電気・火気を伴う

この線引きを知らないと、
現場は混乱します。


■⑦ 再利用は“判断力”の訓練でもある

防災における再利用は、
物の問題ではありません。

・考える力
・見極める力
・断る勇気

を試される場面です。

「ありがたいけど使えない」
と言えるかどうか。
ここに、防災力の差が出ます。


■まとめ|再利用は万能ではない

防災において、
再利用は重要な選択肢です。

しかし、
再利用=正義
ではありません。

大切なのは、
安全かどうかを判断できる知識と経験

防災とは、
善意を活かすための冷静さ。

再利用を活かせるかどうかで、
その現場の防災レベルが分かるのです。

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