【防災士が解説】防災×放射線|見えないリスクと「知らない判断」の怖さ

放射線と聞くと、多くの人はこう感じます。
「原発事故のときの話」
「自分の生活とは関係ない」

しかし防災の現場では、放射線は“特別な災害”ではありません。
正しく知らなければ、間違った行動を取り、被害を広げてしまう危険があります。


■① 放射線は「見えない・匂わない・感じない」

放射線の最大の特徴は、五感で察知できないことです。

・色がない
・匂いがない
・音がしない
・触っても分からない

つまり、
気づいたときには被ばくしている
という状況が起こり得ます。

この「分からなさ」が、防災上の最大のリスクです。


■② 放射線=すぐ命に関わる、ではない

放射線に対する誤解も多くあります。

・少量=即死 → ❌
・触れたら終わり → ❌

実際には、
・被ばく量
・被ばく時間
・内部被ばくか外部被ばくか

によって影響は大きく異なります。

防災で重要なのは、
正確に恐れることです。


■③ 災害時に起こり得る放射線リスク

放射線は原発事故だけの話ではありません。

・医療施設の被災
・研究施設の事故
・輸送中の放射性物質事故
・テロ・犯罪

これらは「可能性がゼロではない災害」です。
だからこそ、知識が必要になります。


■④ 間違った行動が被害を広げる

放射線災害で最も危険なのは、
自己判断による行動です。

・屋外をうろつく
・汚染された物を触る
・洗わずに飲食する
・勝手に物資を再利用する

「良かれと思って」が、
被ばくを拡大させる原因になります。


■⑤ 防災で覚えておくべき基本原則

放射線対策の基本は、とてもシンプルです。

・距離を取る
・時間を短くする
・遮へいする

これは専門家だけでなく、
一般住民も知っておくべき原則です。

防災は、
難しい知識より行動原則が重要です。


■⑥ ダンボール・資材の再利用は要注意

災害時によく使われるダンボールや資材も、
放射線災害下では注意が必要です。

・屋外に放置されていた
・汚染区域から運ばれた
・測定されていない

これらは、使ってはいけない再利用です。

善意での配布が、
二次被ばくにつながることもあります。


■⑦ 情報の信頼性をどう見極めるか

放射線災害では、
デマや不安をあおる情報が広がりやすくなります。

・極端な安全論
・極端な危険論

どちらも危険です。

防災では、
「誰が出した情報か」
「根拠は何か」
を見る習慣が命を守ります。


■⑧ 放射線防災で一番大切なこと

放射線に対して必要なのは、
勇気ではありません。

知識と冷静さです。

・知らない物には近づかない
・勝手に判断しない
・公式情報を待つ

この当たり前の行動が、
最大の防災対策になります。


■まとめ|放射線は「知っている人」が強い

放射線災害は、
パニックになるほど危険でも、
無視していいほど安全でもありません。

正しく知っていれば、
正しく行動できます。

防災とは、
見えないリスクを
「見える判断」に変える力。

放射線を恐れる前に、
まず知ること。
それが、命を守る第一歩です。

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