【防災士が解説】防災×車|便利な移動手段が“凶器”に変わる瞬間

災害時、多くの人が無意識に頼るのが「車」です。しかし防災士として現場を見てきた立場から言えば、車は使い方を間違えると命を奪う存在にもなります。防災と車の関係は、日常と非日常の境目にこそ大きな落とし穴があります。


■① 災害時に車を使う人が一気に増える

地震や豪雨が発生すると、多くの人が反射的に車に向かいます。実際の現場では、同じ判断が一斉に起きることで道路が機能停止するケースを何度も見てきました。車は個人にとって便利でも、集団になると脆弱です。


■② 車避難が渋滞を生むメカニズム

車が集中すると、交差点・坂道・合流地点で簡単に詰まります。災害時は信号停止や事故も重なり、通常10分の距離が30分以上かかることも珍しくありません。これは東日本大震災や近年の地震でも繰り返し起きています。


■③ 徒歩より遅くなる「逆転現象」

防災士として強く伝えたいのは、車より徒歩の方が早く安全な場合が多いという事実です。解析データでも、徒歩避難の方が到達時間が短かった例は数多くあります。車は安全そうに見えて、実は足かせになることがあります。


■④ 車内での危険:火災・水没・孤立

車内は密閉空間です。火災が発生すれば逃げ遅れ、水害ではアンダーパスで一瞬にして水没します。現場では「車にいなければ助かった可能性が高い」事例をいくつも見てきました。


■⑤ 車中泊は安全とは限らない

避難所を避けて車中泊を選ぶ人も増えていますが、長時間の車中泊は血栓症や体調悪化のリスクがあります。実際、災害関連死の要因として車中泊が問題になったケースもあります。


■⑥ 冬・夏で変わる車のリスク

夏は熱中症、冬は低体温症や一酸化炭素中毒の危険があります。エンジンをかけたままの車は、周囲の状況次第で命取りになります。季節によって車の危険性は大きく変わります。


■⑦ 防災士から見た車避難の失敗例

実際に多かった失敗は、「みんなが車で動いているから大丈夫だと思った」という判断です。現場では、集団心理が最悪の結果を招く場面を何度も見てきました。行政も本音では、全員が車で動くことを想定していません。


■⑧ 車は“最後の選択肢”と考える

車は悪ではありません。ただし、防災では優先順位があります。徒歩で安全に行けるなら、車を使わない選択が命を守ることにつながります。車は計画的に使うものです。


■まとめ|車は守ってくれないこともある

車は日常では強い味方ですが、災害時は状況次第で最大のリスクになります。

結論:
災害時、車は「安全」ではなく「判断」がすべてを左右する

防災士としての現場経験から言えるのは、車に頼らず冷静に行動できた人ほど生存率が高かったという事実です。車をどう使うかは、日頃の防災意識で決まります。

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