断水は、全員に平等ではありません。赤ちゃん、要介護、高齢者、持病のある人がいる家庭は、同じ備えでも足りなくなります。必要なのは「特別な高級備蓄」ではなく、医療と生活の弱点を水で埋める設計です。
■① 断水が直撃するのは「医療」と「介護」
水がないと、服薬、洗浄、清拭、排泄介助が一気に難しくなります。
特に在宅介護は、普段のルーティンが崩れるほど本人も家族も疲弊します。断水対策は介護対策でもあります。
■② 赤ちゃんがいる家庭は「ミルクの水」だけでは足りない
粉ミルクを作る水、哺乳瓶の洗浄、手指衛生、おしり拭き、吐き戻し対応。
ここに水が必要です。哺乳瓶は使い捨ての哺乳ボトルや、洗浄不要に近づける工夫で水消費を抑えます。
■③ 高齢者は「脱水」と「低体温」が同時に来る
高齢者は喉の渇きを感じにくい上に、寒さで体調を崩しやすいです。
水分摂取のルールを家族で決め、温めが必要ならカセットコンロや保温手段を組み合わせて、冷えを防ぎます。
■④ 持病がある人は「薬を飲めない」が命取りになる
水がないと服薬が止まります。さらに衛生が崩れると感染リスクが上がります。
飲用水とは別に「服薬専用水」を確保し、薬は分包・お薬手帳・予備を一袋にまとめて、断水でも迷わない形にしておきます。
■⑤ 皮膚トラブルと褥瘡は断水で悪化しやすい
洗えない状況が続くと、皮膚炎や褥瘡が進みます。これは災害関連死の入口になり得ます。
清拭タオル、ドライシャンプー、保湿剤、使い捨て手袋を備え、清潔を「水以外」で確保します。
■⑥ トイレ対策は「量」より「安心感」が重要
要介護者はトイレの不安が増えるほど失禁が増え、介助が増え、家族が消耗します。
簡易トイレ袋、凝固剤、消臭、防臭袋、手指消毒をセット化し、夜間でも迷わない場所に固定します。
■⑦ 防災士から見た実際に多かった失敗
「家族は元気だから大丈夫」と思って備えを薄くするケースです。ところが災害は、持病の悪化や睡眠不足で一気に状況を変えます。
特に冬の断水は、冷えと疲労で体調が落ちやすい。元気な人の基準で備えると、弱い人から崩れます。
■⑧ 今日からできる「要配慮家庭」の断水強化
服薬専用水、清拭セット、トイレセット、保温の手段、情報と連絡手段。
特別なことは不要です。弱点を先に埋めるだけで、断水が「耐えられる日」に変わります。
■まとめ|断水は弱い人から崩れる。だから家庭の基準を上げる
家族の中で一番弱い条件に合わせて備えると、全員が守られます。断水対策は優しさではなく、合理です。
結論:
断水対策は「平均的な大人」ではなく、家族で一番弱い人の基準で設計する。

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