【防災士が解説】海で起こる事故の原因と防ぐためのポイント|夏レジャーを安全に楽しむために

毎年、海での事故は後を絶ちません。
海水浴、磯遊び、釣り、マリンスポーツ——どれも楽しい活動ですが、
一歩間違えると重大事故につながる危険があります。
ここでは、海で起こりやすい事故と、防ぐための実践的なポイントをまとめます。


■ 海で起こる事故の“代表例”

離岸流による流され事故
高波・うねりによる転倒・落水
急な深みへの転落
磯場での滑落事故
クラゲ・生物による刺傷
飛び込み事故(首・脊髄損傷)
サーファー同士の衝突
ライフジャケット未着用による溺水
釣り中の転落事故

海は“見えない危険”がとても多い場所です。


■ 最も多い事故:離岸流(リップカレント)

海水浴場で一番多いのが 離岸流による流され事故

● 波が浜へ寄せる
● その水が沖へ一気に戻る
→ 強力な流れが発生する

時速約30kmで流れることもあり、
大人でも逆らって泳ぐことは不可能です。

▼ 対処法

● 流れに逆らわず「横へ」泳ぐ
● パニックにならず浮く
● 助けを呼ぶ(手を振る)

横移動すれば、離岸流の帯から抜けられます。


■ 事故が多発する“危険スポット”

● 堤防・防波堤
● テトラポッド周辺
● 河口付近
● 離岸流が起きやすい中央部
● 崖・岩場(磯遊び)
● 海水浴場の端
● 観光地の立入禁止区域

「景色が良い場所」は事故が多い場所でもあります。


■ 子どもの海遊びで必ず守ること

● 大人が“手が届く距離”で見守る
● 浮き輪だけに頼らない
● ライフジャケット着用(最重要)
● 砂浜の急深ポイントに近づけない
● 離岸流の説明を事前に行う

わずか数分の油断が大事故につながります。


■ 大人に多い事故:釣り・磯場・写真撮影

● 防波堤からの落水
● 磯で波にさらわれる
● 撮影中の転落
● 立入禁止エリアでの事故

特に釣りは“死亡事故の半数以上”を占めています。

▼対策

● ライフジャケットは必ず着用
● 波の高さを事前に確認
● 濡れた岩は絶対に登らない
● 長靴ではなく滑りにくい靴

「大丈夫だろう」が命取りになります。


■ 海水浴で使うべき装備

● ライフジャケット(子ども・泳ぎに自信がない人)
● マリンシューズ
● ゴーグル
● ラッシュガード(紫外線対策)
● 防水ホイッスル

命を守るアイテムこそ最優先で準備を。


■ 危険な天候サインは?

● 急な黒い雲
● 雷音
● 強まる風
● 波の周期が長くなる
● 海面がざわつき始める

この5つが出たら、即退避 が正解です。


■ 海で絶対にやってはいけないこと

● 深い場所へ急に行く
● 防波堤の先端で釣り
● 立入禁止区域に近づく
● お酒を飲んで海に入る
● 離岸流のエリアに入る
● 夜の海で遊ぶ
● 強風の日にSUP・ボートを出す

海の事故のほとんどは“禁止されている行動”が原因です。


■ まとめ

海は美しい場所ですが、
同時に“自然の力が直接ふりかかる危険な場所”でもあります。

● 離岸流
● 高波
● 船・岩・防波堤への衝突
● 子どもの監視不足
● 立入禁止エリア

これらを避けるだけで、海の事故は大幅に減らせます。

安全を最優先に、家族みんなで海を楽しみましょう。

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