北海道南西部にある 有珠山(うすざん) は、
過去1,000年で10回以上噴火を繰り返している「日本でもっとも活動的な火山の一つ」です。
特徴は、
● 噴火の周期が短い
● 前兆現象がはっきり出る
● 山麓に温泉地・町が密集
という点で、被害が出やすく、迅速な避難判断が必要になります。
ここでは、防災士として
有珠山噴火の被害・特徴・教訓・今後の備え
をわかりやすくまとめます。
■ 有珠山の噴火はどれくらい起きている?
有珠山の噴火周期は 平均30〜50年 と短く、
日本でもトップクラスの “噴火を繰り返す火山”。
代表的な噴火:
● 1910年(明治43年噴火)
● 1944年(昭和新山誕生)
● 1977年(観光地に多大な被害)
● 2000年(平成噴火)
特に1977年と2000年は、
周辺の洞爺湖温泉・有珠町・虻田町などに大きな被害。
■ 過去の噴火で何が起きたのか?
① 噴石が人口密集地域へ落下
住宅地や観光地に噴石(石・岩)が落ち、多くの建物が破損。
② 火砕流(高速の高温ガス)が山麓へ
速度は時速100km以上。
接近すると避難は不可能。
③ 降灰による町全体の機能麻痺
● 視界不良
● 停電
● 道路封鎖
● 農業被害
● 自動車故障
数cmの火山灰でも暮らしは成立しなくなる。
④ 新しい火口が“住宅地のすぐ近く”に生まれる
2000年噴火では、
家の横や道路脇に新火口が形成されました。
⑤ 避難が長期化
2000年噴火では、
約1万人が避難、最長2年以上家に戻れなかった例も。
■ 有珠山噴火の特徴
① 前兆が明確
群発地震や地殻変動が噴火の数日前から発生し、
専門家は「噴火の可能性が高い」と判断しやすい。
② スピードが速い
前兆から“爆発的噴火”までが数日なので、迅速な判断が重要。
③ 新しい火口が町の近くに開く
噴火地点が変わりやすく、
住宅地のすぐ横に火口ができることもある。
■ 有珠山周辺の被害想定
● 噴石・火山弾の落下
● 火砕流が北西〜北東へ流れる可能性
● 洞爺湖温泉街の機能停止
● 交通遮断(国道230号・駅・港)
● 飛行機欠航(新千歳空港も影響)
● 広範囲で降灰
● 観光業への長期打撃
特に“噴石”が最も直接的な命の危険です。
■ もし有珠山が噴火したら?(行動)
① 火口から半径2〜3kmは“全員避難”
噴石は2km以上飛ぶことがあります。
② 車で逃げる際の注意
火山灰で視界不良+スリップの危険大。
時速は10〜20kmが限界になる。
③ 火山灰から呼吸器を守る
● N95マスク
● ゴーグル
● 薄手のタオルで口鼻を保護
灰はガラス片なので吸うと危険。
④ 新しい火口に絶対近づかない
地面が割れ、新しい噴気が出る可能性がある。
⑤ 避難は早めに
前兆が出た段階で準備を整えるのが命を守るポイント。
■ 観光客が多い地域だけに対策が重要
洞爺湖温泉・昭和新山は観光地で、
年齢層も幅広く“避難に時間がかかりやすい人”が多い。
宿泊施設は
● 避難ルート
● バス
● 避難誘導
を日頃から意識しておく必要がある。
■ まとめ
有珠山は
“日本で最も頻繁に噴火する活火山のひとつ”。
● 前兆は明確
● 噴石・火砕流・降灰が危険
● 火口が住宅地近くに生まれる
● 避難は迅速が命を守るカギ
● 噴火後も生活復旧に時間がかかる
火山災害は「気づいたら逃げられない」という特徴があります。
有珠山周辺に住む人はもちろん、観光で訪れる人も、
噴火リスクと避難ルートを知っておくことで助かる確率は大きく上がります。

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