【防災士が解説】消防団の「夜警」とは?── 冬場の火災を防ぐための地域最大の見守り活動

年末年始や空気が乾燥する季節になると、全国の消防団が行う「夜警(やけい)」。
地域の火災を未然に防ぐために、昼間以上に重要な取り組みです。

ここでは、夜警が“なぜ必要なのか”“何をしているのか”を、防災士の視点で分かりやすくまとめます。


■ ① 夜警とは?

夜警とは、冬場の火災多発期に消防団が行う夜間の見回り活動です。

● 火の元の注意喚起
● 地域の巡回パトロール
● 火災の早期発見
● 外出・帰宅する住民への声かけ
● 不審火・放火防止の監視強化

“地域を守るための、最も身近な防火活動”ともいえます。


■ ② なぜ夜警が必要なのか?

冬は火災リスクが年間で最も高くなります。

● 空気が乾燥して火が燃え広がりやすい
● 暖房器具・ストーブの使用が増える
● 年末は飲酒・深夜帰宅が多く火災が起きやすい
● 放火が増えるシーズンでもある

火災の8割は夜間に発生しており、夜警は地域の安心に直結します。


■ ③ 夜警で行われる主な活動

各地域の消防団で内容は異なりますが、一般的には次のような行動が取られます。

拍子木(ひょうしぎ)で“火の用心”を呼びかけ
分団単位での巡回パトロール
不審者・不審火の監視
ストーブ・コンロ・タバコの注意喚起
消防車で広報放送パトロール

「火の用心、マッチ一本火事の元」
の声かけは、昔から続く伝統的な防火活動です。


■ ④ 夜警が果たしている効果

実は夜警には、目に見えない大きな効果があることが分かっています。

● 巡回しているだけで放火の抑止力になる
● 住民が防火意識を思い出す
● 夜間火災の“初期発見”につながる
● 災害時の助け合いにつながる地域力を高める

“地域を守る安心の灯”
──それが消防団の夜警です。


■ ⑤ 住民が協力できること

消防団だけでなく、住民が協力することで火災はさらに減ります。

● コンロ・ストーブの“消し忘れゼロ”を徹底
● 寝タバコは絶対にしない
● ゴミ置き場周辺に燃える物を置かない
● 不審火や焦げ臭さを感じたらすぐ119番
● 夜間外出時は家の周りをチェックして出る

家庭の小さな注意が、地域全体の安全に直結します。


■ まとめ

消防団の夜警は、冬の火災を防ぐための重要な地域防災活動です。

  1. 夜間の巡回で火災と放火を防止
  2. 拍子木や広報で“火の用心”を呼びかけ
  3. 地域の安心感を高める
  4. 夜間火災の早期発見に直結
  5. 住民の協力で効果が何倍にもなる

夜警は、消防団の努力だけではなく、
住民の協力があって初めて“地域防災力”になります。

冬の夜の見守りは、確実に命を守っています。

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