夏の夜を彩る花火大会。
家族連れ、カップル、観光客でにぎわう一方で、
毎年必ず事故やトラブルが発生しています。
火災・熱中症・迷子・転倒事故・水辺での事故……
人が多く集まるイベントだからこそ、
事前に知っておくだけで“防げる事故”がたくさんあります。
ここでは、防災士の視点から
「花火大会で絶対に気をつけるポイント」をまとめます。
■ ① 会場への“行き帰り”が最も危険
花火大会の事故は、実は会場よりも移動中に多く発生します。
● 川沿い・斜面での転倒
● 人混みでの押し合い・将棋倒し
● 飲酒後のふらつきでの事故
● 自転車が暗闇で見えない
特に帰り道は一斉帰宅で混雑し、
暗い場所では数メートル先さえ見えないこともあります。
帰り道こそ“スマホライト”必須です。
■ ② 子どもの迷子は“数分で起きる”
花火に夢中になると、子どもは一瞬で姿を見失います。
● 人混みで大人の視界の外に出やすい
● 屋台や光るおもちゃに吸い寄せられる
● トイレに行きたくなって勝手に動く
対策は3つ。
● 写真を撮ってその日の服装を記録
● 名前・連絡先を書いた紙をポケットへ
● 「はぐれたらここで集合」を決めておく
迷子放送が1時間で30件を超える大会もあります。
■ ③ 熱中症・脱水は夜でも起きる
夏の夜は涼しいようでいて、湿度が高く熱がこもります。
● 人混みで風が通らない
● 水分を忘れるほど夢中になる
● 飲酒で脱水が進む
ポイントは“飲み物を持って並ぶこと”。
屋台の列は20〜30分並ぶことも多く、その間に具合が悪くなる人もいます。
■ ④ 打ち上げ場所周辺は“火災の危険エリア”
花火は火薬です。
落下物が人や建物に当たる事故も毎年起きています。
● 打ち上げ場所には絶対に近づかない
● ロープ・進入禁止ラインを越えない
● 火の粉が降る方向に注意
大きな花火大会は安全計画が徹底されていますが、
小規模な地域花火では危険距離が十分に取れないこともあります。
■ ⑤ 川沿い・堤防での“落水事故”
花火大会は川辺で行われることが多いため、水難事故が非常に多いです。
● 暗闇で足元が見えない
● 子どもが堤防で遊びたがる
● 酔った大人が落ちる
特に多いのは“写真を撮ろうとして川に落ちる”ケース。
夜の水辺は本当に危険なので、
柵がない場所では絶対に立ち止まらないこと。
■ まとめ
花火大会は楽しい夏の風物詩ですが、
安全対策を知っているかどうかで大きく差が出ます。
- 移動中の事故が最も多い
- 子どもの迷子は数分で起きる
- 夜でも熱中症・脱水になる
- 打ち上げ場所は火災リスクエリア
- 川沿い・堤防は落水の危険大
「楽しさ」と「安全」はセットです。
家族も友人も、自分自身も守るために、
少しだけ防災の視点を持って花火大会を楽しみましょう。

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