【元消防職員・防災士が解説】防災×マンション共用部|管理組合防災に「期待しすぎる」と危険な理由

首都直下地震に備え、
多くのマンションでは
管理組合主体で防災対策が進められています。

備蓄倉庫、防災訓練、発電機――
一見すると安心材料がそろっているように見えますが、
現場目線で見ると共用部防災には明確な限界があります。


■① マンション共用部防災の役割とは

共用部防災の本来の役割は、

・初動を支える
・最低限の混乱を抑える
・住民同士をつなぐ

この3点です。

全世帯を長期間支える仕組みではありません。
ここを誤解すると、
過度な期待がリスクになります。


■② なぜ共用部備蓄は当てにならないのか

多くのマンションで共通する実情です。

・全戸分の備蓄量がない
・配布方法が決まっていない
・鍵・担当者不在で開けられない
・被害で倉庫自体が使えない

発災直後は特に、
「あるのに使えない」ケースが多発します。


■③ 発電機・非常電源の現実的な限界

共用部にある発電機は、

・運転時間は数時間〜数日
・対象は共用部のみ
・エレベーターは動かない場合が多い

つまり、
生活を維持する電力ではありません。

「電気があるから大丈夫」
という認識は非常に危険です。


■④ 管理組合は“即応部隊”ではない

管理組合役員は、
災害対応の専門職ではありません。

・被災者でもある
・連絡が取れない
・判断をためらう

この状況で、
迅速な指揮統制を期待するのは現実的ではありません。

共用部防災は、
善意に支えられた仕組みであることを理解すべきです。


■⑤ 共用部防災に頼りすぎた場合のリスク

期待しすぎると、
次のような問題が起きます。

・各家庭の備蓄が不足する
・判断が遅れる
・不満や対立が生まれる

これは、
災害時のマンション内トラブルの典型です。


■⑥ 住民が取るべき現実的なスタンス

正しい向き合い方はシンプルです。

・共用部防災は「補助」
・家庭備蓄が「主役」
・管理組合は「連携の場」

この前提に立つだけで、
防災の質は大きく変わります。


■⑦ まとめ|マンション防災は「自助8割・共助2割」

首都直下地震におけるマンション防災は、

・自助が8割
・共助が2割

このバランスが現実的です。

管理組合を過信せず、
しかし否定もせず、
自分の備えを最優先にすること

それが、
マンションで命と生活を守る、
最も現実的な防災戦略なのです。

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