【元消防職員・防災士が解説】防災×避難服の機能設計|夏は「発汗+抗臭」冬は「発熱+保温」で考える

避難服を考えるとき、
「動きやすい服」「着替えがある服」
までは意識されるようになってきました。

しかし実際の避難所生活では、
服の“機能差”が快適さと体調を大きく分けます。

特に重要なのが、
・夏の発汗対策
・冬の体温保持

この2点です。


■① 避難所では「汗」と「冷え」が最大の敵になる

避難所では、

・人が密集して蒸し暑い
・空調が不安定
・着替えや洗濯ができない
・夜間は一気に冷え込む

という環境になります。

その結果、

・夏:汗で不快・臭い・皮膚トラブル
・冬:冷えで体力低下・免疫低下

が確実に起こります。

だからこそ、
季節ごとに役割の違う避難服が必要です。


■② 夏の避難服は「発汗性+抗臭性」が最優先

夏の避難所で重要なのは、
涼しさよりも汗を処理できることです。

適した夏用避難服の条件は、

・吸汗速乾性が高い
・肌離れが良い
・抗臭・防臭加工がある
・乾きやすい素材

汗をかいたまま過ごすと、

・ストレス増大
・皮膚炎
・周囲への気遣い疲れ

につながります。

「汗をかいても不快にならない服」
これが夏の避難服の正解です。


■③ 抗臭性が避難所で重要な理由

避難所では、

・洗濯できない
・同じ服を長時間着る
・人との距離が近い

ため、
臭いのストレスが想像以上に大きくなります。

抗臭性のある服は、

・自分が楽
・周囲に気を使わなくて済む
・心理的な負担が減る

という、
メンタル防災としての効果もあります。


■④ 冬の避難服は「発熱性+体温保持」が命を守る

冬の避難所で怖いのは、
寒さそのものよりも体温低下の蓄積です。

冬用避難服に必要なのは、

・発熱性インナー
・体温を逃がしにくい素材
・重ね着しやすい設計

厚着よりも、
発熱+保温の組み合わせが重要です。


■⑤ 冬の避難所で冷えやすいポイント

特に冷えやすいのは、

・床に接する下半身
・首・手首・足首
・長時間じっとしている時間

そのため、

・発熱インナー
・厚手の靴下
・羽織りもの

があるかどうかで、
体感温度は大きく変わります。


■⑥ 「夏服」「冬服」を分けて備蓄する発想

避難服は、

・オールシーズン1セット
では不十分です。

おすすめは、

・夏用:発汗・抗臭重視
・冬用:発熱・保温重視

という二層構えの備蓄です。

衣替えのタイミングで
避難服も入れ替えると、
無理なく継続できます。


■⑦ 子ども・高齢者ほど機能性が重要

子どもや高齢者は、

・汗冷えしやすい
・寒さ暑さを我慢してしまう

ため、
機能性の差が体調に直結します。

・夏:抗臭・速乾を多めに
・冬:発熱・保温を重視

大人基準で選ばない
ことが重要です。


■⑧ まとめ|避難服は「季節対応型装備」で考える

避難服は、

・とりあえず着られる服
ではなく、
環境に適応する服です。

夏は、
汗を処理し、臭いを抑える服。

冬は、
自ら熱を生み、体温を守る服。

この視点を持つだけで、
避難生活の快適さと健康は
確実に変わります。

避難服とは、
「着る防災装備」。

季節に合わせた機能設計こそが、
避難所で人間らしく過ごすための、
最も実践的な防災なのです。

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