冷蔵庫は“食品を冷やす家電”と思われがちですが、
防災の観点では 食料の安全・衛生・生活継続の中心装置 です。
停電した瞬間から、冷蔵庫の使い方が
家族の健康を大きく左右します。
■ 冷蔵庫が防災の重要装置になる理由
災害時に失われるのは…
● 冷却
● 食品の安全性
● 衛生
● 保存期限
● 気力(調理できない)
冷蔵庫は“生活インフラの最後の砦”。
■ 停電が起きた瞬間にやるべき行動
① 絶対に開けない
冷蔵庫は 閉めたままなら4〜10時間は持つ。
開けるだけで冷気が逃げて食中毒リスク急上昇。
② 開けるのは“一度だけ”
必要な食材をまとめて取り出す。
何度も開けると、実質2時間分しか保冷できないことも。
③ 冷蔵 → 冷凍へ移動
冷凍庫は 24〜48時間 持つ。
冷蔵の食材は、生鮮品を優先して冷凍庫へ避難させる。
■ 事前にできる“冷蔵庫の防災準備”
① 冷凍庫に“保冷剤・凍らせたペットボトル”を常備
停電時の保冷時間が大幅に伸びる。
② 冷凍食品は容量の7〜8割を埋めておく
隙間が少ないほど保冷力が高まる。
③ 棚を整理し、食品の位置を把握
停電したら目をつむってでも取り出せるレベルが理想。
④ 扉のパッキンの状態チェック
パッキン劣化は冷気漏れの原因。
災害時の保冷時間に直結する。
■ 停電が長引いたときの判断基準
時間や温度で“食べられる / 捨てる”を決める。
● 冷蔵庫(4〜10℃)
→ 4時間以上停電したら「生もの」は危険。
● 冷凍庫
→ 表面が柔らかくても中心が凍っていれば多くはOK。
→ 2日以上の停電で完全に溶けたものはNG。
■ 冷蔵庫 × 衛生管理(災害時)
● 冷気が逃げないよう、扉にガムテープ
子どもが知らずに開けるのを防止。
● 冷蔵庫の中の写真を撮っておく
停電後も中身を確認できる“最強のテクニック”。
● 食材は早めに“加熱調理”
食中毒を防ぐ最も確実な方法。
■ 冷蔵庫 × 備蓄食材の工夫
● 火を使わない食品を上段へ
例:パン、シリアル、缶詰、ゼリー飲料
● 火を使う食材は中段
例:野菜、肉、卵
● 冷凍庫に“温めるだけの食品”を常備
疲労時や水害避難時に最も役立つ。
■ 停電中、冷蔵庫に入れてはダメなもの
● 水を大量に入れる(温度が上がる)
● 大量の常温食品
● 温かい食べ物(庫内温度が急上昇)
冷蔵庫は“冷気の箱”。
温める箱としては機能しない。
■ 冷蔵庫 × 節電 × 防災
● 省エネモード
● 適正温度(冷蔵3〜5℃・冷凍-18℃)
● あらかじめ整理整頓
● ドア開閉の回数削減
停電時だけでなく、電力逼迫時の対策としても有効。
■ 子ども・高齢者がいる家庭のポイント
● 子どもが“開けない習慣”を作る
● 高齢者が判断を迷ったら、一緒にチェック
● 常備薬は冷蔵品か確認(保冷必須)
冷蔵庫の中身は家族の健康そのもの。
■ まとめ
冷蔵庫 × 防災は、災害時の食の安全を守る最重要設備。
- 停電直後は「開けない」が正解
- 冷蔵 → 冷凍へ食材移動で保冷時間延長
- 冷凍庫の“保冷剤&ペットボトル”が命を守る
- 4時間以上の停電は生もの要注意
- 冷蔵庫の写真撮影が非常に有効
- 子ども・高齢者の衛生管理にも深く関わる
冷蔵庫を“防災装置”として意識するだけで、
災害時の食生活と健康維持が劇的に安定します。

コメント