ここまで、
自律型避難の設計思想を積み重ねてきました。
最後に辿り着く結論は、
とても静かで、拍子抜けするものです。
本当に機能する防災は、平時に忘れられている。
■① 日常で意識されている防災は、非常時に邪魔になる
平時から、
・常に防災を意識している
・頻繁に話題にしている
・不安を共有し続けている
こうした家庭ほど、
非常時に次の状態に陥ります。
・考えすぎる
・迷いが増える
・判断が遅れる
防災が「日常の中心」にあると、
非常時に切り替えができません。
■② 忘れられている防災は「自動的に立ち上がる」
一方で、
助かった家に共通していたのは、
・普段は話題にしない
・意識もしていない
・存在感がない
それでも、
・揺れた瞬間
・違和感を感じた瞬間
勝手に体が動き始める。
これが、
忘れられている防災の強さです。
■③ 一文と避難服は「記憶を呼び戻すスイッチ」
忘れていても機能する理由は明確です。
・玄関の一文
・手に取る避難服
これらが、
思考ではなく反射で行動を起こさせます。
思い出す必要はありません。
目に入れば、体が動きます。
■④ 防災を語らない家ほど、家族は揃って動く
完成している家では、
・説明がない
・確認がない
・議論がない
それでも、
・同時に立ち
・同時に動き
・同時に外へ向かう
防災が「共有された癖」になっているからです。
■⑤ 子どもに残るのは「防災」ではなく「雰囲気」
子どもが大人になった時、
覚えているのは、
・防災知識
ではありません。
・あの時、家が静かだった
・親が迷っていなかった
この雰囲気だけが、
次の世代に残ります。
■⑥ 忘れられている防災は、再起も早い
災害後、
・過剰に振り返らない
・自分を責めない
・武勇伝にしない
この姿勢が、
心身の回復を早めます。
防災を特別視しない家ほど、
日常への復帰が早い。
■⑦ 防災の完成とは「気にしなくなった瞬間」
防災が完成する瞬間は、
・全部揃った時
ではありません。
「もう気にしなくなった時」
です。
それでも、
いざという時には動ける。
この状態こそが、
最高の完成形です。
■⑧ まとめ|自律型避難は「忘れられるほど完成している防災」
自律型避難の最終到達点は、
・考えない
・意識しない
・でも確実に動く
防災です。
一文があり、
避難服があり、
流れが体に染み込んでいる。
あとは、
忘れていい。
災害の日、
その「忘れていた防災」だけが、
あなたと家族を
迷いなく外へ連れ出します。
それが、
元消防職員として
最後に断言できる、
本当に壊れない防災の姿です。

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