【防災士が解説】防災×ゴミ収集車火災|危険ゴミによる庫内発火への対応と予防策

ゴミ収集車は日常生活に欠かせない存在ですが、近年、危険ゴミによる庫内火災が増加しています。特にスプレー缶、カセットガスボンベ、リチウムイオン電池などは、プレスによる圧迫で発火するリスクが高く、適切な廃棄や消防対応が求められます。本記事では、現場経験豊富な防災士・サニー カミヤ氏の知見をもとに、ゴミ収集車火災の発生メカニズム、初期対応、予防策を具体的に解説します。


■危険ゴミによるゴミ収集車火災の現状

2020年以降、新型コロナウイルスの影響で自宅待機や断捨離により大量のゴミが家庭から出されました。
この中には以下の危険ゴミが含まれるケースが多く、ゴミ収集車内で発火する事例が相次いでいます。

  • スプレー缶(殺虫剤、整髪料など)
  • カセット式ガスボンベ
  • シングルバーナー用ガスカートリッジ
  • リチウムイオン電池(スマートフォン・加熱式タバコ)
  • 使用済みマッチやライター

特にリチウムイオン電池は、ゴミ収集車の投入ホッパー部分で圧迫されることでショートし、発火する危険性が非常に高いと報告されています。


■発火メカニズムと危険性

リチウムイオン電池搭載製品は外見だけでは危険性が分かりにくく、リサイクルマークのみで表示されている場合が多いです。

発火の典型的な流れは以下の通りです。

  1. 投入口からゴミ収集車庫内へ投入
  2. プレスプレートで圧縮
  3. 内部短絡(ショート)発生
  4. 発火、炎や煙の発生
  5. 庫内全体への燃焼拡大

初期段階で発火に気付かず、除去や消火が遅れると、庫内全体で火災が拡大する可能性があります。


■現場での初期対応

火災を迅速に制御するためには、以下の対応が重要です。

  • 庫内で発火した場合
  • 可能であれば即座に内容物を路面など安全な場所に排出
  • 路面で消火、周囲に燃え移らないよう隔離
  • 発火に気付かない場合
  • 火災報知器や煙感知器の確認
  • 運転手および周囲作業員への迅速な警告
  • 消火器の使用
  • CO2消火器や粉末消火器を使用
  • リチウムイオン電池の場合は水消火は避ける(反応が激化する恐れ)

■ゴミ出しから収集までの予防策

火災予防は、市民と収集作業者の双方の取り組みが重要です。

市民向けの注意点

  1. 危険ゴミは分別して廃棄
  • リチウムイオン電池やガスボンベは、自治体の指示に従って専用回収に出す。
  1. スプレー缶の穴あけ・圧力抜きは行わない
  • 無理に行うと逆に危険。
  1. 加熱式タバコや小型電子機器も専用回収
  • 燃えやすく、ショートの危険がある。

収集作業者向けの対策

  1. 投入時の目視確認
  • 危険物が混入していないか注意深く確認。
  1. 初期消火の準備
  • 消火器の常備、ホースや水バケツの準備。
  1. 作業手順の徹底
  • プレス作業中に異常熱や煙を確認したら、即座に作業中断。

■自治体・事業者の取り組み

全国の自治体や収集事業者も、安全教育と分別ルールの徹底を進めています。

  • 危険ゴミ回収日を明確化
  • 市民向け啓発ポスターの掲示
  • 収集車運転手・作業員への研修とシミュレーション訓練
  • 発火事故の記録と原因分析による改善策の反映

■現場体験・教育の重要性

サニー カミヤ氏は、現場経験が少ない消防士や作業員にも体験型シミュレーションを推奨しています。

  • 実物ゴミを使った模擬投入
  • 煙・熱・圧力を再現した安全訓練
  • 緊急時の避難ルート確認と連携訓練

このように、机上ではなく現場に近い条件での訓練が、事故発生時の対応力を大きく高めます。


■まとめ

ゴミ収集車火災は日常生活の一部で発生しうる危険です。
特にリチウムイオン電池やガスボンベなどの危険ゴミは、正しい分別・廃棄方法を市民が理解することと、収集作業者の適切な対応が不可欠です。

ポイント

  • 危険ゴミは自治体指示に従って適切に分別
  • 発火を確認したら、安全な場所で初期消火
  • 収集作業者は目視確認と消火準備を徹底
  • 現場シミュレーション訓練で対応力向上

事故を未然に防ぎ、作業員や市民の命を守るために、ゴミ出しから収集まで一体的な防災意識を持つことが重要です。

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