新型コロナウイルスの感染対策として、手指消毒用アルコールの使用が一般化しています。特に、100円ショップなどで購入した小型のアトマイザーに入れて持ち歩くケースが増えており、日常生活に潜む火災リスクとして注意が必要です。
消毒用アルコールは、危険物に分類される第4類(引火性液体)であり、液体そのものだけでなく蒸気も引火します。正しい知識と取り扱いを身につけ、事故を未然に防ぎましょう。
■1. 消毒用アルコールの火災リスク
アルコールは、70%以上の濃度であれば灯油や軽油よりも引火しやすく、衣服や身の回りの可燃物に瞬時に燃え広がる危険があります。特に蒸気は青白く見えにくいため、着衣火災の原因となりやすいです。
具体的な事故例
- 手指消毒後すぐにタバコの火をつけた場合
アルコール蒸気が引火し、服に燃え移り、やけどや火災拡大の危険。 - 台所での使用中の調理
野菜や肉を消毒した直後にコンロを使用すると、蒸気に引火して火が衣服や周囲の可燃物に燃え広がる。 - 詰め替え時の不注意
プラスチック容器や床にこぼれたアルコールが静電気や火種で引火する可能性。
■2. 収れん火災(蒸気火災)への注意
アルコールの蒸気は、室内の通気状況や温度、風向きによって引火範囲が変化します。特に狭い空間や通気が悪い場所では、引火が急速に拡大する「収れん火災」の危険があります。
- 使用時は必ず換気を行う
- 火気の近くでは使用しない
- スプレーやアトマイザーの方向を人や可燃物に向けない
■3. 安全な使用のためのポイント
- 手指消毒は火気から離れた場所で行う
キッチンや喫煙エリアでは使用を控える。 - 詰め替えは屋外または換気された場所で
容器の漏れや蒸気の滞留を防ぐ。 - 小型容器は密閉して保管
アルコール蒸気の拡散を防止。 - 残ったアルコールは速やかに拭き取り
床やカウンター上に残った液体は火災の原因になりやすい。
■4. もし着衣火災が発生したら
- 火を消すために走らない
空気が供給され炎が拡大する危険があります。 - その場で転がって消火
消火毛布や濡れたタオルで覆うのも有効。 - 救急通報と応急手当を同時に行う
着衣火災は、わずか数秒で全身に燃え広がるため、即時対応が命を守ります。
■5. まとめ
消毒用アルコールは、感染症予防に欠かせない一方で、火災リスクが高い危険物です。日常生活での使用時には、以下のポイントを必ず守りましょう。
- 火気のそばでは使用しない
- 換気の良い場所で使用
- 詰め替えや保管は慎重に
- 万が一の着衣火災に備え、消火方法を知っておく
これらの対策を日常的に実践することで、消毒用アルコールによる火災事故を未然に防ぐことが可能です。
消毒と防火、両方の安全を意識して、安心・安全な暮らしを維持しましょう。

コメント