【防災士が解説】防災×損害保険普及率|中国・メキシコの災害数から見える日本の盲点

防災というと、ハード対策や避難行動に目が向きがちです。
しかし災害後の現場で必ず問題になるのが、「補償が追いつかない」という現実です。
損害保険は入っていれば安心、という単純な話ではありません。

この記事では、防災士の視点から、損害保険普及率という切り口と、中国・メキシコの災害数を比較しながら、日本の防災の盲点を整理します。


■① 損害保険普及率は「防災力」を映す指標

損害保険の普及率は、単なる金融データではありません。
それは、その社会がどれだけ「災害後」を現実的に考えているかを示す指標です。

・被災後の生活再建
・事業や雇用の継続
・復旧スピード

これらは、補償が機能するかどうかで大きく差が出ます。


■② 日本は保険加入率が高くても安心とは限らない

日本は世界的に見ても、保険加入率が高い国です。
しかし現場で見てきた実感として、「入っているのに足りない」ケースが非常に多くあります。

・水災が対象外
・補償上限が低い
・免責が大きい
・支払いまで時間がかかる

普及率の高さと、防災力の高さは必ずしも一致しません。


■③ 防災士から見て多かった失敗

被災後によく聞いた言葉があります。

・保険に入っているから大丈夫だと思っていた
・ここまで被害が出るとは想定していなかった
・補償内容をよく理解していなかった

これは個人の問題というより、社会全体の「想定不足」だと感じています。


■④ 中国・メキシコは「災害が多い前提」で動いている

中国やメキシコは、日本と同様に自然災害が多い国です。

・中国:洪水、地震、土砂災害が広域で頻発
・メキシコ:地震、ハリケーン、豪雨が周期的に発生

これらの国では、「いつか起きる」ではなく「また起きる」という前提で、復旧と再発を繰り返す社会構造になっています。


■⑤ 災害数が多い国ほど「回復の速さ」を重視する

災害数が多い国で重要視されるのは、完全な被害防止ではありません。

・どれだけ早く再開できるか
・次の災害までに立て直せるか
・同じ場所で何度も回復できるか

この視点は、日本の防災にも強く必要だと感じます。


■⑥ 行政が言いにくい本音

行政の立場では、すべての被害を補償することはできません。
本音では、「民間の補償制度もうまく使ってほしい」と考えています。

損害保険は、防災の一部です。
避難と同じように、事前に考えておくべき対策の一つです。


■⑦ 損害保険は「自律型防災」を支える道具

損害保険は、依存するための制度ではありません。

・早く立て直すため
・判断を早くするため
・次の行動に移るため

自律型避難と同じく、自分で次に進む力を支える道具です。


■⑧ 災害列島日本に必要な視点の転換

日本は、災害の数も種類も多い国です。
それは中国やメキシコと同じ「災害が日常にある国」だということです。

だからこそ、防災は「被害をゼロにする」発想から、
「何度でも回復できる」発想へ切り替える必要があります。


■まとめ|損害保険普及率の先にある本当の防災力

損害保険普及率は、高ければ良いというものではありません。
重要なのは、それが現実の災害で機能するかどうかです。

結論:
災害が多い国ほど、防災の本質は「回復の速さ」にあり、損害保険はその土台の一つになる。

防災士として現場を見てきた中で、
補償内容を理解し、次の行動を早く決められた人ほど、生活再建がスムーズでした。
防災×損害保険は、「災害後を生き抜く力」を支える現実的な備えです。

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