医療ローンは、治療や手術、自由診療などに使われる借入です。
健康のため、生活の質のためという正当性がある一方で、災害の現場では「返済が残る負債」として重くのしかかる場面を多く見てきました。
防災では、目的の正しさと非常時の耐性を切り分けて考える必要があります。
■① 災害時でも医療ローンは止まらない
災害が起きても、医療ローンの返済は原則継続します。
・収入が減っても
・避難生活でも
・通院や治療計画が変わっても
返済義務は残ります。
「医療だから特別」という扱いは、防災では成立しません。
■② 医療費は想定外が重なりやすい
医療に関わる支出は、
・追加治療が発生しやすい
・通院費や薬代が継続する
・体調不良で収入が不安定になる
という特徴があります。
ここにローン返済が重なると、家計の耐久力は一気に下がります。
■③ 防災士から見て多かった現実
現場で多かったのは、次のような状況です。
・治療中に被災し収入が減少
・医療ローンと生活費の両立が困難
・判断が遅れ、返済条件の相談が後手に回る
「健康のための選択」が、生活再建の足かせになっていました。
■④ 防災では「治療後も返せるか」が重要
防災の視点では、
・治療後に働けない期間があっても耐えられるか
・返済と生活費を同時に維持できるか
・収入減を前提に設計されているか
が最重要です。
治療の必要性だけで判断すると、リスクが見えなくなります。
■⑤ 行政が言いにくい本音
行政支援は、医療ローン返済を前提に設計されていません。
本音では、「医療費も含めて家庭で耐えられる設計にしてほしい」と考えています。
高額療養費制度があっても、借入負担までは救えません。
■⑥ 自律型防災と「体調×家計」の同時管理
自律型防災では、
・体調が万全でなくても
・判断を単純に保ち
・行動できる
余力が必要です。
医療ローンは、体と家計の両方に負荷をかけ、判断を鈍らせます。
■⑦ 防災視点での医療ローンの考え方
防災の観点では、次の確認が不可欠です。
・返済が残っても生活を守れるか
・収入減の期間を想定しているか
・借入なしで初動を乗り切る資金があるか
これを考えずに組む医療ローンは、高リスクです。
■⑧ 治療の選択肢を守るために生活を壊さない
治療は大切です。
しかし防災では、
・命
・生活基盤
・立て直しの余力
が最優先されます。
この順番を守ることが、結果的に治療の選択肢を守ります。
■まとめ|医療ローンは防災では慎重に扱う固定負債
医療ローンは、必要性の高い借入です。
一方、防災の視点では「返済が続く固定負債」である現実を直視する必要があります。
結論:
防災の観点では、医療ローンは「治療のための正当な借入」ではなく「災害時でも家計が耐えられるか」で厳格に判断すべき固定負債である。
防災士として現場を見てきた中で、
借入を最小限に抑え、生活防衛資金を確保していた家庭ほど、被災後の判断が早く、治療と生活の両立もスムーズでした。
健康を守るためにも、家計の耐久力を守る必要があります。

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