災害に備えると聞くと、
多くの人はいまだに「非常時の数日」を思い浮かべます。
・3日分の水
・非常食
・避難バッグ
もちろん、これらは重要です。
しかし今、現場が突きつけている現実ははっきりしています。
災害は、短期戦ではない。長期戦である。
この認識を持つかどうかで、
防災の考え方も、備え方も、備蓄の内容も、大きく変わります。
■① 「災害は長期戦」という認識が必要な理由
近年の災害には、明確な傾向があります。
・大規模化
・広域化
・復旧の長期化
インフラが止まり、生活が戻るまでに
数週間、数か月、場合によっては年単位かかる。
これは例外ではなく、
これからの日本で起きる災害の前提条件です。
にもかかわらず、防災の意識は
「助かるまで」「数日しのぐまで」で止まっているケースが多い。
このギャップが、被災後の苦しさを生んでいます。
■② 認識が変わると、備え方が変わる
災害を短期戦と捉えると、防災はこうなります。
・できるだけ多く備える
・完璧を目指す
・一度そろえたら終わり
一方、長期戦と捉えると視点が変わります。
・消耗しないことを重視する
・継続できる備えを選ぶ
・無理をしない設計にする
つまり、防災の目的が
「耐える」から「壊れない」に変わるのです。
■③ 備蓄の考え方も変わる
短期戦前提の備蓄は、
・特別な非常食
・使い慣れない道具
・賞味期限管理が大変
になりがちです。
長期戦前提では、こう考えます。
・日常で使っているものを回す
・生活を止めないための備蓄
・心と判断力を守る備え
食べ慣れない非常食より、
普段食べているもの。
使ったことのない道具より、
使い慣れた日用品。
これは単なる好みではなく、
長期戦で人が壊れないための必然です。
■④ 長期戦で削られるのは「物」ではなく「人」
過去の災害事例を振り返ると、共通点があります。
・物資は後から届く
・支援も徐々に整う
それでも苦しさが続く理由は、
人が先に消耗するからです。
・判断力が落ちる
・気力が続かない
・尊厳が削られる
・選択を先送りする
長期戦で本当に守るべきなのは、
物よりも「人の状態」です。
■⑤ 「意識改革」が防災の出発点になる
防災は、物をそろえる前に
考え方をそろえる必要があります。
・災害は長期戦である
・我慢は続かない
・完璧な備えは不要
・壊れないことが最優先
この認識を持つだけで、防災は軽くなります。
「全部やらなければならない」から
「続けられることだけやる」へ。
これが、長期戦を前提にした防災です。
■⑥ 備えが「負担」から「安心」に変わる瞬間
長期戦の視点を持つと、
・備蓄は不安対策ではなく生活の延長
・防災は特別な行動ではなく習慣
・準備は減らしても効果は落ちない
という感覚に変わります。
結果として、
・防災疲れが減る
・家族と共有しやすくなる
・実際に使える備えが残る
防災が「重いもの」ではなくなります。
■⑦ 過去の災害が教えている必然
東日本大震災、熊本地震、豪雨災害、能登半島地震。
どの災害も、共通して示しています。
・被災は想定より長引いた
・生活再建の判断が難しかった
・心の不調は後から現れた
つまり、
短期戦のつもりで備えていた人ほど苦しんだ。
これは偶然ではなく、
認識のズレが生んだ必然です。
■⑧ 長期戦を前提にした防災へ
これからの防災に必要なのは、
・「災害は長期戦」という認識
・備え方の見直し
・備蓄の意味づけの変更
・意識のアップデート
防災は、
助かるための準備から、
壊れずに生き続けるための準備へ。
■まとめ|認識が変われば、防災は変わる
災害は、これからも長期化します。
結論:
「災害は長期戦」という認識を持つことで、備え方も備蓄も意識も変わり、防災は我慢するものから、続けられる生活設計へと進化する。
防災は、物の量では決まりません。
どんな前提で備えているかで決まります。
長期戦には、長期戦の備え方がある。
その意識改革こそが、これからの防災の第一歩です。

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