中長期避難で最も見えにくく、しかし確実に人を追い詰めるのが「メンタルの崩れ」です。
命が助かっても、心が持たなければ生活は続きません。
現場で見てきた視点から、中長期避難で心が折れやすい瞬間と、その背景を整理します。
■① 発災直後は気が張っている
発災直後はアドレナリンが出ており、多くの人が気丈に振る舞います。
「今は頑張らないと」という気持ちが強く、疲れや不安を自覚しにくい時期です。
■② 数週間後に一気に反動が来る
避難生活が続き、支援が減り始める頃、急に無気力や不安が表面化します。
ここで多いのが「理由の分からない落ち込み」です。
■③ 比較が心を削る
「自分より大変な人がいる」「あの人は前を向いている」
こうした比較が、自分のつらさを否定する方向に働きます。
■④ 弱音を吐けない空気
避難所や仮設住宅では、周囲への遠慮から本音を言えなくなりがちです。
結果として、内側に感情を溜め込みます。
■⑤ 役割を失う喪失感
仕事、家事、地域での役割が一気に消え、「自分は何者か分からない」状態になります。
■⑥ 眠れないことが引き金になる
睡眠不足はメンタル低下の最大要因です。
不眠が続くと、判断力も感情も不安定になります。
■⑦ 終わりが見えない恐怖
復旧や再建の見通しが立たないことで、希望を描けなくなります。
■⑧ 「もう頑張れない」と感じる瞬間
疲労・不安・孤立が重なったとき、心が折れやすくなります。
これは弱さではなく、自然な反応です。
■まとめ|心が折れるのは「異常」ではない
中長期避難で心が折れそうになるのは、誰にでも起こります。
結論:
メンタルの崩れは防災の一部として備えるべき課題です。
防災士として現場で感じたのは、「心の不調を想定していた人ほど回復が早い」という事実です。

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