令和8年度税制改正大綱では、住宅ローン控除の延長や不動産評価の見直しが盛り込まれました。
一見すると「不動産や税金の話」に見えますが、実はこれからの防災と深く関わる内容です。
災害時に「住まい」と「資産」をどう守るか、その視点で整理します。
■① 住宅ローン控除が5年延長された意味
住宅ローン控除は2030年12月31日まで5年延長されました。
これは「持ち家取得」を後押しする一方、住まい選びの責任が個人により強く求められる時代になったことを意味します。
■② 災害レッドゾーンは対象外という重要な線引き
今回の改正で明確になったのが、
災害レッドゾーンでの新築住宅は住宅ローン控除の対象外とする点です。
国として「危険な場所に建てる選択は支援しない」というメッセージが明確になりました。
■③ 床面積緩和と中古住宅重視の流れ
床面積要件が40㎡以上に緩和され、省エネ性能の高い既存住宅も優遇されます。
これは「新築一択」から「安全な立地の中古+改修」への転換を促す流れです。
■④ 不動産評価見直しが示す“公平性”の裏側
賃貸不動産や小口化商品の評価方法が見直され、
過度な節税ができない仕組みに変わります。
これは災害復旧や社会保障を支える財源確保とも直結します。
■⑤ 投機的取引と防災の相性の悪さ
短期売買や投機目的の不動産取引は、
地域の防災力や復旧力を弱める要因になります。
税制改正はその抑制も視野に入れています。
■⑥ 「立地」は今後さらに重視される
土地譲渡や特例でも、地すべり防止区域などは除外対象となります。
ハザードマップ確認は「自己責任」ではなく「必須条件」になりつつあります。
■⑦ 防災士から見て多かった誤解
現場で多かったのは、
「国が支援してくれるから大丈夫」という思い込みです。
税制はあくまで誘導策であり、最終判断は個人に委ねられます。
■⑧ 住まい選びも“自律型防災”の一部
これからの防災は、避難グッズだけでなく、
「どこに住むか」「どんな資産を持つか」まで含めた判断が求められます。
■まとめ|「現金」だけでなく「立地」が防災になる
今回の税制改正は、不動産と防災の距離を一気に縮めました。
結論:
これからの防災は、住まい選びそのものが最大の備えです。
防災士として被災地で感じたのは、
「安全な場所に住んでいた人ほど、生活再建が圧倒的に早い」という現実です。
住宅ローン控除や税制優遇は、
“どこに住むかを真剣に考えた人”への後押しだと受け止める必要があります。

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